さっそく、いくつか気になった点をピックアップしておきましょう。
日本は地政学的に、伸び盛りのアジアマネーを、うまくすれば総取りできるポジションにいる
買いたい人がいて、いい値段をつけてくれれば、売る。これがビジネスの基本だ。むしろ「バイアウトされておめでとう!」というのが、正しいはずだ。でも、多くの日本人は、「会社を買われる」=「よくないこと」という思いこみから、逃れられていない
「閉ざす」道を採って、結果的に得をした国が、どこにあるのか
お金はあるところから、引っぱってくる。国家の垣根に、こだわらない。そんなふうに、もっとシンプルに考えればいい
国家間の衝突のスピーディな解決は、「強い方が先に折れる」のが基本だ。その基本を、アメリカなど欧米の大国は近年まったく守れていないので、失敗ばかりしている
おそらく、海外に出られない大人は、「ここなら安全」「ここで十分」「出ていくのは危ない」と無意識に考えているのだと思う。そうじゃない。何を見たいのか、何がほしいのか。何をやりたいのか。それをはっきりさせないと、いつまでも「外」と「なか」の区切りは消えないだろう。逆に言うと、はっきりさせれば動きだすのは容易い
日本人は、なぜかお金ばかりを惜しむ傾向がある。高いから設備投資せずに人手で仕事をまかなうとか、移動にお金がかかるから長距離バスに乗るとか、バカバカしすぎる。惜しむべきは、お金ではない。時間だ。時間は命なのだ
覚えていてほしい。世界も日本も勝手に変わっていく。君も好きにしたらいいのだ
僕たちを不自由にする「国境」は頭のなかにある
険しい山を越え、手製の船で海を渡り、命がけの冒険をしてまで、6万年もかけてアメリカ大陸の最南端へたどり着いた、人類の原動力は、何だったのだろう? 僕は、とてもシンプルな理由だったと考えている。「見たことのないものを、見に行きたかった」のだ
スマートフォン革命がもたらしたシェアエコノミーは、旅のコストを劇的に下げてしまった。もうバックパッカーの時代ではない。若者はAirbnbで格安の宿をシェアし、UberXで割安で移動できる
ここでは書き切れませんでしたが、著者が気に入ったというインドのチャイの店や、メッセンジャーアプリの会社など、有望な企業についても言及があり、投資家目線でも興味深い内容です。
「八重山諸島をアジアのレイブパーティの聖地に」など、書かれている中には突飛なことも含まれますが、ゼロベースで考えたらおもしろいアイデアがたくさん詰まっています。地域開発、観光開発のヒントにもなるので、関係者はぜひ読んでおくといいでしょう。
そして何よりも、若者に対する希望あふれるメッセージがいい。日本に閉塞感を感じている人に、ぜひ読んでいただきたい1冊です。
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著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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