屈辱のAIIB。米国は、中国が覇権国家になるのを止められないのか?

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中国とロシアはなぜ接近する?

――現在、ロシアと中国が、急接近しています。フクヤマさんはどう見ておられるのでしょうか?

「米国の世界的覇権」を弱体化させることに、中露は共通の利益
を見出している。中露接近の理由は、第一にそれだ。
(中央公論 2015年6月号)

同感です。

しかし、「最近の急接近の原因」は、やはり「クリミア問題」である。これで世界的に孤立したロシアは、何が何でも仲間が必要だった。そして、中国に接近した。

「エサ」は、30年におよぶ巨額の天然ガス供給契約。この時、中国側はロシアが提示した価格を、(中国らしく)値切った。

プーチンは、「安く売ってやる!」と決めた。

プーチン大統領にしてみれば、それでも構わないという気持ちだろう。プーチンは、見かけだけでも中国との関係が大きく前進したということにしたい、と決めたのだ。
(中央公論 2015年6月号)

しかし、中ロ関係にはさまざまな障害があり、「長期的な同盟関係」にはならないそうです。

問題は、「中ロが分裂するとき、アメリカはまだ覇権国家でいられるのだろうか?」「沖縄は、日本領なのか?中国領になっているのか?」という話なのです。(これは、フクヤマさんの発言ではありません。)

>>次ページ アメリカは、「AIIB」で中国に「屈辱的敗北」!

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