なぜNYとシンガポールを歩くだけで「売れる広告」の法則が分かるのか

2016.06.02
by yomeronpou
 

莫大な数の広告がひしめくタイムズスクエアでは 通行人の目をとめるクリエイティブな仕掛けで勝負

一方でニューヨークですが、中心街のタイムズスクエアにはとてもたくさんの広告がありました。シンガポールのような規制がないのですごい数です。そして、見る人が多いだけあり、広告費が膨大でした。動かない看板の広告費は高いものだと1年間の契約で30万ドル、動画は1年で300万ドルくらいするものもあるとのことです。高い広告費を払っているから、費用対効果を考えると、膨大な人数の通行人に商品やサービスを買ってもらわないと広告料が見合わない。そこで、通行人が広告に目を止めてくれるように、クリエイティブを工夫するのです。

広告表現」という点では、例えば車の看板。

「RULES」の商品名の文字の間がパリンと分かれていて、看板の向こう側が見えていました。通行人は「あれ?割れてる?」と、思わず目を止めてしまうのです。

目を止めるといえば、交差点のテレビモニターの広告。

対面の通りに向かってカメラがついていて、通行人が自分の目の前にあるモニターに映るようになっています。自分が映し出されていたら、つい立ち止まってみてしまうのが人の心理。数秒で広告の動画に切り替わって通行人はそのまま広告を見るという仕掛けになっているのです。また、「クロスメディア」としては、ニューヨークの市立図書館の広告が画期的でした。拡張現実AR」を利用して、蔵書の一部を試し読みできるようになっているのです。「気になる続きは図書館で」と、図書館へ誘導しているところが素晴らしいと感じました。

このように、それぞれの国の広告事情によって、広告媒体や表現に特徴がみられるのが、とても面白いですね。海外の事例から我々が広告を創る際に参考にできるところがたくさんあると思いました。

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