なぜNYとシンガポールを歩くだけで「売れる広告」の法則が分かるのか

2016.06.02
by yomeronpou
 

印刷物からWebへの誘導 「クロスメディア」で広告効果を倍増させる

また、メインストリートには、何台も並ぶミニクーパー。最初は「ミニクーパーの宣伝かな」と思ったのですが、そうではなかったようです。車のフロントガラスに人の顔くらいのQRコードが貼られていました

読み込んでみると、ファッションのアパレルサイトに飛びました。QRコードはとても重要で、広告を見る人の中の何割かが、商品に興味を持ったとします。しかし目で見るだけではすぐに購買には至りません。

しかしQRコードが貼ってあれば、その場でホームページに飛んで商品を買ってくれるかもしれないですよね。このように、QRコードにはさらなる購買チャンスを獲得と機会損失を防ぐ役割があるのです。これは一種の「クロスメディア」といえます。日本でボクは「印刷物にはQRコードを付けてください」といつも勉強会で言っていますが、シンガポールでも行われているとても参考になる事例ですね。

固定観念を外して街を見渡せば、広告スペースになり得る場所が見つかる。広告を出すスペースにも特徴が見られました。日本であまり見かけませんが、ホテルのタクシー乗り場の看板。エスカレーターを降りるとき正面に見える壁や横の壁などは、しっかりと工夫がされていて広告スペースになっています。

バス停にもデジタルサイネージでくるくる変わる広告がありました。また、変わっているなと思ったのが、非常に曲面になっている壁。日本だとこんなに曲面になっていると広告媒体としての価値がないと思われがちですが、シンガポールではこの曲面を上手く使った広告表現をしていて感心しました。やはり広告を出せる場所が限られているからか、工夫が凝らされているのですね。

電柱の広告も日本とはひと味違っていました。電柱に巻く形のものではなく電柱に垂れ幕のように付いているのが印象的でした。条例があるのか、景観を損なわないデザインが多いようにも思われます。

また、シンガポールは地下鉄の広告も進化していて、時刻表がモニターなのです。次は何時に電車が来るのか、電車を利用する人のほとんどがこのモニターを一度は見るでしょう。ここにもしっかり広告のシールが貼ってあり、時刻が表示されないときは広告の動画が流れるようになっていました。それだけでなく、地下鉄の電子改札でカードをピッとするときに必ず見える場所は広告で埋まっていましたし、電車とホームの間の扉も広告スペースになっていたのです。

私たちが媒体だと思っていないところも人の目に多く触れるところであればお客様にとっては優良な媒体になる可能性を秘めているということを感じました。

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