【座談会】世の中の仕組みがよりクリアになる、超面白い「法律」の話

 

「リーガルマインド」を身につければ世界が広がる

三浦:現役の弁護士として活躍されているということで、今日のお題目は?

山本:「リーガルマインドを身につける」ですね。

三浦:リーガルマインドってどういうものですか?

河野:一言で言うと「法律の中身が理解できて、かつそれを実際に起こっている事件に適用していく能力」ですかね。

三浦:難しい。

河野:一番わかりやすく言うと、法律家って「問題を解決できる能力」。

三浦:なるほど。「法的思考」ってやつですよね。

例えば、僕は「ライティング・ゼミ」っていうので教えていて、プロのライターでもあるんですけど、世の中をライターの思考で見るんですよ。何か書くネタはないかなって。

さらに僕は起業家でもあるので、『ストックビジネスの教科書』(ポプラ社)も作っている。世の中を「ストック思考」で見るんですよね。これってもしかして定期的な課金になるビジネスかもしれないって視点で見るんですよね。

それで、「リーガルマインド」を身に着けると、この事例、法的にどうかなって自然に考えられるようになるんですよね。

例えば「ライティング・ゼミ」ではお客様が毎週記事を上げてくれているんですけど、これ著作権的にまずいだろってときがあるんですよね。他にもこれって法律的に大丈夫かなってシグナルが鳴るようになってくる。

河野:情報がパッと出るわけではないけど、たぶん禁止されているんだろうな、みたいな感覚ですかね。

法律が分かれば世の中の仕組みが見えてくる

三浦:そのくらいのマインドは身に着けたいですよね。法律が分かれば世の中の仕組みが見えてくる。これはどういうことでしょうか?

河野:街を歩いているといろんなものが目に付くわけです。例えば道路標識なんていうのもそうですよね。道路交通法って法律があるから置いているんだということがわかる。あるいはお店の同意書や契約書なんていうのもそうですね。法律があるからこういう書類を作っているんだなあっていうのがわかるかな。

三浦:不動産を借りる時でも、何でもいいですよね。

河野:ビジネスをやっている=法律に基づいてやっているといっても過言ではないでしょうね。

三浦:逆に言うと、生きている限り法律からは逃げられない

河野:法律は全ての人に適用されますからね。

三浦:「法律は関係ないよ」って言う人、いませんもんね。英語は関係ないよって言う人はいると思うんです。一生日本で暮らせばいいっていうことですから。「9割は英語は要らない」なんて本も出ているくらいなんですよ。僕は、英語は勉強しないって心に決めているんです(笑)。

ただ、法律は誰でも関係あるもんね。相続だったり契約だったり、クリエイティブなことやっていたら著作権も関係してくる。分からないとやばいって可能性ありますよね。

河野:だいたい相談にいらっしゃる方は、もっと早く相談しに来てくれていればっていうのがほとんどなんですね。

例えば、法律を知っていたらそれはしないだろうっていうものを平気でやってしまっていたり。契約書にサインしてしまっている、とかね。一番あるのは保障かなあ。保障はせざるを得ないところがあるので。

三浦:人間関係としてせざるを得ないところはありますよね。普通に法律を知っていたらやらないかもしれないですね。

法律は最強のディフェンスになる

三浦:僕が思うのは、法律ってある意味ディフェンスになるのかなって思うんですよね。先行して手を打てる可能性がある。契約書に最初から有利になる可能性のある文言を組んでいけばこっちに優位になる可能性がありますよね。あとは知っているかどうかの問題。

河野ルールは作る側が強いですからね。契約書は最終的に自分らの意見が通せれば強いかなあと思いますね。

三浦:うん。なので、善意に見せかけて「あ、大丈夫ですよ、契約書こっちで作りますから!」は危ないですよね。いやいやちょっと待ってくれって。できれば自分のサイドで作った方がいい。だいたい契約を結ぶ場合って作った側に有利にするに決まっているから。

河野:自分でルール作れるならそうしますよ、みんな。

三浦:なので善意と見せかけて「契約書大丈夫です、こっちで作りますから」はやばいですよね。

河野:我々の業界でもあるんですよね、どっちが和解の条文作るかとかね。「こっちが作りますよ」って言った側がだいたい勝ち。だいたいは和解してもらう側がお願いしますって感じなんですよ。

三浦:そうやってやっていくんだ、和解って。

河野:そうやって負けるよりひどいことになるパターンってたまにありますけどね。

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