中国の国有企業が「ゾンビ化」。民間投資の激減で終わりの始まりへ

 

中国独特の政治環境の中で両氏が許されるギリギリの表現で問題の所在を指摘しているのだが、端的に言えば、習近平政権が進めている「改革への逆行毛沢東時代への回帰」の政治路線が民間企業の未来への展望を失わせ、彼らの投資意欲を殺してしまったということであろう。

その一方、民間企業は海外への投資拡大に積極的である。同じ今年の上半期、中国国内の投資者が行った海外への直接投資は888.6億ドル(約9兆円)にも達し、前年同期比では58.7%増であった。

中国の民間企業は結局、習政権下の中国から一日も早く脱出し、資産と事業を海外へ持っていこうと躍起になっているのである。その行く末にあるのは、中国経済そのものの土台崩れであろう。

習近平政権が今やっていることのすべては、中国という国を破滅の道へと導いているようである。

 

石平(せきへい)のチャイナウォッチ
誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考。来日20年。満を持して日本に帰化した石平(せきへい)が、日本人が、知っているようで本当は知らない中国の真相に迫る。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け