コロワイドグループでは他にも問題が発生しています。昨年の11月に、しゃぶしゃぶ温野菜の北習志野店(千葉県船橋市、閉店)で働いていたアルバイト男子学生に暴行を加えたとして、元従業員の男性が逮捕されるという事件が起きました。被害者は警察に告訴状を提出しました。ブラックバイトを巡る訴訟は全国初とみられ、話題になりました。SNSなどで拡散し、ブランドイメージは大きく毀損しました。
この事件は加害者である元従業員の個人の問題という側面もありますが、そういった人物を管理者に登用していた組織側の問題もあるといえるでしょう。この店は別会社の「DWE Japan」が運営するフランチャイズ店でしたが、同じブランドを共有するレインズ側に問題がなかったとはいえないでしょう。レインズにはフランチャイズ店を指導する責任があったからです。
これらは全てコロワイドグループでの出来事です。グループ全体に人的な問題が蔓延っていると言わざるを得ません。先の社内報ではグループのトップである会長が部下の社員の言動をたしなめていますが、その前にまずはトップの会長の言動を改めるべきではないでしょうか。先の社内報を見て、誰もが思うことでしょう。問題点を指摘しているだけでは解決にはなりません。それでは組織は活性化しません。
最後にドラッカーの言葉を示したいと思います。
人の強みよりも弱みに目のいく者をマネジメントの地位に就けてはならない。人の得意なことに目が向かない者は、組織の精神を損なう。
(同109頁)
「女子大生のハンバーガー店経営物語 (クリエイションコンサルティング)」