京都の夏といえば鱧、秋といえば丹波産の松茸。そして今時期は、この二つの食材の贅沢なコラボレーション料理を食すことができるそう。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英学(はなぶさ がく)さんが、秋の出会いもの「鱧松茸」について詳しく紹介しています。
鱧松茸(ハモマッタケ)
この時期、京都の代表的な食材といえば丹波産の松茸です。高級なものだと1本10万円もするような代物が店先に並んでいるのを見たことがあります。
秋から冬に向かう季節の変わり目に和食ならではの季節感だと感じることが出来るのが「ハモマッタケ」の料理です。季節の移ろいを楽しむ「走り」と「名残」が同時に味わえる「秋の出会いもの」です。
「旬」はその食材が食べごろを迎える最盛期です。市場に多く出回る時期なので、手に入りやすく値段も手頃になります。食材を気軽に楽しめるタイミングと言ったところでしょう。それよりも前に初物をいただくのが「走り」です。先取り感や、新しい季節の訪れを待ち望む気持ちを満たしてくれます。逆に、旬が過ぎて食材を惜しみつつ頂くのが「名残」です。去り行く季節を惜しみつつ、来年また出会えることを心待ちにして、その貴重な瞬間を味わう充実感があります。
出始めの季節が訪れ、盛りを迎え、そして去っていくまでの移ろいに思いを馳せる。仏教の無常観にも通じるところなのかも知れませんね。