もう一つの信仰は医学部です。
多くの開業医はそれなりに年収もあり、世の中に貢献しているというやりがいもあるでしょう。
医者になって多くの人の役に立ちたいという受験生が多くてもおかしくありません。
ですが、実際は医学部が超難関なので、誰でもが目指せる仕事ではないということになっています。
本気で合格したいと思ったら、それこそこの「受験戦争」を勝ち抜かないといけないのです。
このように、今の日本で「受験戦争」と言えるほど厳しい状態なのは難関国公立大や医学部くらいに限定されてきていると見てよいでしょう。
次に、「戦争」とまではいかなくともかなり難しいのはやはり医療系の学部です。
話題の「獣医学部」などもそうです。
これには理由があります。
医療系なのだから、やはり国家資格。
国家資格があれば食いっぱぐれないし、医者と同様にやりがいもある。
たしかに、魅力的です。
受験生も集まって、競争するから難関になる。
それはそうでしょう。
ですが、もっと根本的な問題が隠されていることに、ほとんどの人は気づいていないのです。
今日は、禁断のその事実を書いちゃいましょうか。
奇しくも加計学園の問題でそれがわかりやすくなっています。
あの問題で、朝日新聞とかTBSとか週刊誌の報道は見ない方がいいですよ。
本質からはずれた虚構ばかりです。
それはどうでもよくって、重要なのはどうして長年にわたって獣医学部が新設されてこなかったかという点。
理由は明白で、あの玉木議員のような獣医師会の息がかかった人がいるからです。
ご存知ない人もいるかもしれないので書いておくと、玉木議員は親や親戚縁者が獣医師で、既得権益を守りたいのです。
獣医が増えると、すでに独占的に儲かっていた獣医さんが困るのです。
新たな獣医学部をつぶすためにでっち上げた話が加計学園の認可の話。
現状、獣医学部のある大学はごく限られています。
獣医になる人数もコントロールされているのです。
すでに獣医学部を持っている大学は、他にライバルが増えないように守られています。
学部の設置認可の権利は文科省にあります。
あの、元次官の前川氏のいた文科省です。
文科省は、天下りが禁止されてからも延々と、ノウノウと天下りを続けていた役所です。
そのトップだったのが前川氏。
獣医学部のある大学は文科省の役人の天下り先になっているのでしょうね。
新たな獣医学部の設置認可をしない見返りに天下りを受け入れるというのは典型的な構図です。
おのずと、定員の少ない獣医学部の偏差値は上がって、その大学の評判もよくなるでしょう。
話はそこで終わりません。
全く同じ構図は、他の薬学部や歯学部、そしてもちろん医学部にも成立します。
どの学部も偏差値が高いです。
だって、設置認可がされないので、なりたい人は限られた既設の大学を受けるしかないのですから。
文科省はもちろん、医療系だと厚労省の役人も天下りできるわけです。
獣医学部だと農水省も天下りできます。
官僚たちはこんなに旨みのある状態を変えたくないわけですよ。
つまり、なんと日本の受験戦争の根本的な原因は「役所の天下り」だったというわけです。
そのような状況で獣医学部が50年ぶりにつくられることになりました。
また、千葉県には38年ぶりの医学部がつくられました。
これってすごいことなのですよ。
今まで文科省は設置認可権をパックに、多くの大学や医療業界の既得権益を守ってきたのです。
その見返りにお役所の天下り先を確保するというのが鉄板の構図。
かしこい官僚がやることですから、従来はめったなことではその岩盤はくずせなかったのです。
ところが、第一次安倍政権がつくった天下りの監視委員会はそこまで踏み込んでいるのですよ。
ちゃんと市場が開放されていて、まっとうな競争原理がはたらくように変わろうとしているのです。