【書評】一人っ子政策の深刻なツケ。中国、10年余りで絶望の国に

 

一人っ子政策の張本人は高齢化問題や出生率がレバーの上げ下げで機械のように調整できると自信満々だった、ロケット専門の科学者・宋健である。彼は中国の最高行政機関である国務院の一員にまで上りつめ、三峡ダム建設委員会の副主任として賛否両論ある巨大プロジェクトに携わった。リアルにヤバイ……。

三峡ダムは16年かけて2009年に竣工した世界最大のダムである。このダムによる気候不順は常態化したばかりでなく、頻発する大地震の原因ともいわれている。今は長江上流から流れて来る砂礫で、ダムがほぼ機能不全に陥り、危機的状況にあるが放置されている。かつて三峡ダムの建設に反対した著名な水利学者、清華大学の故・黄万里教授は10年もたないと予言した2019年はもうすぐ

ダム建設で移住させられたのが140万人。2020年までに更に230万人が退去予定だという。もしダムが決壊すると、長江流域の広大な土地が洪水と水没、穀倉地帯は壊滅して、数千万人の犠牲者(なんてアバウトな表現だ)、上海も壊滅する。宋健の名前は中国史に刻まれるだろう、というのは私の説。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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