売れない店ほど「目先の売上」にこだわり悪循環に陥る納得の理由

 

先日、あるお店の社長さんと話していて、次のような会話になった。「やっぱり、売上を上げるためには、広告が大切で、いかに効果的なネット広告をだせるかがポイントですよね?」と話されていた。でも、店に行くと、店は汚いし、接客サービスもそれほど良くない。商品もまずまずの出来だが、「うまい!」というレベルではない。

この社長さんの店は、間違いなく「目的来店型」のタイプの店だ。目的来店型は、いかに“リピーターさん”、すなわち“固定客を作れるかが経営の重要課題となる。

ここに目的来店型のタイプの店のお客様のフローを記載すると次のようになる。

  • 認知⇒来店⇒体験(店の料理、接客などを)⇒記憶⇒再来店

お客様は、店の存在を探し、そして、店を見つけ(認知)、来店してくれる。そして、店で、料理や接客、店の空間を体験し、満足してくれれば、お客様の「記憶」に残り、それが、次の来店(再来店)につながる。しかし、「記憶に残るような体験ができなければ次は二度とない!

だから、目的来店型こそ、このフローの「体験が最も大切であり、この「体験」の質を上げ、いかに、「再来店」に繋げる、つまり、固定客をいかに獲得していくかが、「売れ続ける」店になれるかどうかのポイントになる。

先ほどの社長は、認知(お客様に店の存在を知ってもらう)部分には、お金をかけるが、体験の部分に力お金を入れていない。だから、残念ながら、ある程度(僕からすると、売れているレベルに値しないが…)は売れるけれど、繁盛店にはなれないのだ。

この社長は、繁盛店になるために、「体験」の部分の強化が必要であることが大切だとは分かっているのだが、どうしても「目先」の売上が必要だからということで「認知の部分にのみお金をいれてしまう。でも、これでは、いつまで経っても、「売れる店」「繁盛店」にはならない。なぜなら、ザルで水をすくっている状態だからだ!

「売れない店」ほど、目先の売上をとることに走りがちだ。でも、目先の売上を追えば追うほど、永遠に目先の売上を追いかけることになる!にわとりが先か、たまごが先かということだ。

もし、あなたの店が、目的来店型の店ならば、「お客様が来ない」とか「景気が悪い」とか言う前に、店をきれいにしてはどうか?商品をこれ以上ないほどうまくする方法を考え、実践してはどうか?一人のお客様でも、精一杯これ以上ないくらいおもてないしてはどうか?

これらをなおざりにして、目先の売上を追いかけるから、なおさら売れないのだ!

image by: Shutterstock.com

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