できないことはやってあげよう
これは一つの例ですが、このように親が応援してくれると、子どもは好きなことをどんどん深めていくことができます。すると、「自分はこれが得意だ」と思えるので、自信がついて自己肯定感が高まります。そうなると、他のことでもできると思えるようになります。同時に、自分がやりたいことを自分で見つけてどんどんやっていく自己実現の喜びを味わうことができます。
こういう経験をたくさんさせてあげることで、自己実現力がつき、自立できるようになります。ですから、生活習慣的な面で苦手なことは、できるように工夫してあげて、それでも無理ならやってあげてもいいですから、いつまでもそんなところをつつかないでください。その分もっと伸ばせるところを先にどんどん伸ばしてあげましょう。そうすれば、よい循環が始まります。
子育てや教育のコツは、「難しいことは後回しにする。先に上げられるところから上げていく」ことです。
このようなわけで、「できないことをやってあげると自立ができない」などという迷信・ウソ、作り話で苦しむ必要など全くないのです。できないことはやってあげてください。しかも明るく楽しく。
叱り続けて親子ともども弊害の泥沼に沈む、などといった最悪のパターンだけは絶対に避けてください。
初出『月刊サインズ・オブ・ザ・タイムズ(福音社)』