中国の遠吠え。「元号は中国の影響」が大嘘であるこれだけの証拠

 

また、現在の中国で使われる漢語にしても、近代用語の7割近くが和製漢語となりました。加えて、中華人民共和国の憲法は75%以上も和製漢語が使われています。中国では和製漢語を「新辞・新語」と称していますが、科学、哲学、経済、革命から、共産主義、共和国などに至るまで、日本人が西洋の言葉を漢語に翻訳したものであり、現代中国もこの用語なしでは近代の概念を説明できないのです。

中国政府が日本の新元号制定にあたり「中国の影響を消し去ることはできない」というなら、今年で建国70周年を迎える「中華人民共和国の名称こそ日本の影響を消し去ることができない」ものであり、「中国共産党」にしてもそれは同様なのです。

今や元号を使っている国は日本のみですが、それは「万世一系が続いているからです。宋の太宗は日本からの留学僧・奝然に謁見し、日本では皇統が途切れずに続いていることを知って驚き、「これ蓋(けだ)し古の道なり」「これ朕の心なり」と羨ましがりました。

ちなみに元号の歴史ですが、東洋史の大家、宮崎市定博士の説によれば、それは漢の武帝からであり、秦始皇帝の天下統一からではなかったそうです。そのため、真の中国統一は漢の武帝だと宮崎博士は説いていますが、私もそれに賛成します。

中国の制度は秦から始まったものが多いですが、秦はわずか3世で滅びてしまい、万世一系はできなかったのです。漢の時代に王莽が「新」という王朝をつくり、孔子が理想としたユートピアをつくろうとしましたが、これも一代で滅びました。

日本の最初の元号は「大化」ですが、独自の元号をつくったのは、日本が中華王朝とは別の存在であることを示すためであり、その意義は非常に大きいのです。

易姓革命によって王朝がころころ代わった中国では不可能だったことを、日本では現在に至るまで続けているわけです。こうして考えると日本が「中国の影響下」にあるどころか、中国が日本を羨み続けていることがわかります。

清末の戊戌維新にしても、明治維新をモデルに行おうとしたものですし、孫文を始めとする革命の志士も、日本からの多大の援助があったことはよく知られています。中華人民共和国になってからも、日本からの巨額のODAが中国の近代化経済大国化を支えました

まさに近代中国は日本がつくった」と言っていいほどなのです。中国が自慢する高速鉄道からして、日本の新幹線の技術提供をそのまま「自国の独自技術だとパクっているわけです。

そもそも中国は地名を国名にし、他国に「中国」の使用を禁止しました。日本に対しても中国地方などの名称を変更するようにクレームをつけてきたことがありました。それは「中国という表記の独占を狙ったからです。黄河流域の中原で王朝が樹立されるたびに、それらの王朝は「中国」を自称してきました。

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