NY在住日本人社長が「もう日本に住めない」と思った車内注意書き

 

日本出張の時はいつもですが、その前後がニューヨークで異常に忙しくなります。社員もそう多くは抱えられない零細新聞社。当然、社長の負担も大きくなります。旅立つ前夜は一睡もできず、そのまま搭乗するのはいつものことでした。

機内で寝ればいいと思ったのですが、今回はマイレージも使い切り、アップグレードもできず久しぶりのエコノミー席。人間贅沢なもので、一度ビジネスクラスを覚えてしまうと、エコノミー席の窮屈さに我慢できなくなります。これ、ある意味虐待だろう、とすら思ってしまう。

高所はまったく平気だけど、閉所が恐怖症と言っていいくらい苦手になってしまいました。一睡もできない。この歳まで、ファーストクラスやビジネスクラスなんて「見栄」と「ステータス」誇示で乗るものだと思っていました。でも、違う。老化なのか、健康面から言っても、多少無理してでも選んだ方がいいな、と思わされました。

で、成田までの機内の14時間で少しずつ、日本人マインドに戻って行きます。成田に到着したらどうってことないのだけれど、ニューヨークのJKF空港の日本行きの便の搭乗口で、日本の日本人だらけの中に身を置くと、ちょっと緊張してしまう自分もいます。NYで暮らす日本人に囲まれることはあっても、日本の日本人に囲まれることは、日常生活でそうない。

ということは、同じ日本人でも、海外在住日本人と、日本在住日本人は、やはりどこかで違う人種と無意識に感じているのかもしれません。違いの特徴としては、日本在住日本人の方が、ファッションがこ綺麗で、物静か。逆を言えば、アメリカで長く暮らす日本人はトレンドに無頓着で、声がデカイ傾向にあります。あくまで傾向だけど。

なので、日本で電車に乗った時は、多少、緊張します。なぜなら、みんな静かだから。大声で話す人はほとんどいない。今回、日本の地下鉄のホームに貼ってあった注意を促す看板を見た時、軽い衝撃を受けました。車内でイヤホンをしている男性と、迷惑そうな顔をしている周囲の男女をイラストで描いたその看板には「あなたの音漏れ、みんなには雑音です」と書かれていました。

ご存知の通り、ニューヨークの地下鉄は、ストリートパフォーマーの練習場所。歌ったり、踊ったりの集団がチップ目当てで乗り込んできます。それが当たり前の生活になっている僕は「…イヤホンの音漏れを気にしなきゃいけない国では、もう住めないかもしれないな…」と思っちゃうのでした。ちなみに、ニューヨークの地下鉄の車内には「ポールダンス禁止!」の看板が貼られています。これ、実話です。

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