NY在住日本人社長が「もう日本に住めない」と思った車内注意書き

 

閑話休題。一睡もしてない状態で成田に到着してからも、やることは山積みです。もうかれこれ40時間近く寝ていない。その状態で、両替、ルーターレンタル、国内用ケータイのチャージ、そして今回の滞在も都合上何ヶ所かのホテルに滞在するので、それぞれに空港の宅配便から荷物を送ります。それだけ終わったら、都内までのバスに乗る。で、それらのサービスのすべてを日本の人は、親切丁寧に対応してくださります。ちょっと引いちゃうほどに。

例えば、空港からの長距離バス。これがもしニューヨークであれば。まずバス乗り場にたどり着くまでに、怪しい白タクの勧誘をかいくぐっていかなきゃいけません。中には半ば強引に、フィジカルに直接、こっちの手を掴んで連れて行こうとする運転手を振りほどく必要すらあります。

で、やっとバス乗り場に到着しても、そこには電光掲示板も案内カウンターもない。それっぽいおっさんたちにのきなみ、声をかけていく。バス乗り場どこ?と、聞いたところで、無視される。無視されたら、そのおっさんはそう見えるだけで、バス乗り場のスタッフじゃない、とそこで判断する。バス乗り場どこ?聞いたところで、また無視される。無視されても、場合によっては、やっぱりそのおっさんがバス乗り場のスタッフの可能性もあります。ただ単に機嫌が悪いだけで、黙りこくっているのかもしれないから。

しつこく聞くと、アゴをしゃくって「そこだよ」と言われます。「そこってどこだよ?」。またアゴをしゃくり「だから、そこだよ」と言われる。「何時にくる?」。また無視。「だから、何時だよ、次!」しつこく聞くと、やっと答えてくれます。「すぐだよ!」。すぐ、というのが、5分なのか10分なのかはわかりません。このおっさんにとっては40分も、すぐ、なのかもしれない。あとは、もう身をまかせるしかない。それに、さらにしつこく何分か聞いたところで、バスがその時刻表通りに来る可能性の方がずっと低い。結局、正確なバスの到着時刻は、誰も知らない、わかってない。このおっさんどころか、おそらく運転手すらわかってない。

ここまできたら、もう余計なことは考えない。五体満足で自宅にたどり着けたらラッキーだと思うくらいにした方がいい。やっとバスが来ても、チケットをどこで買うかは、毎回違います。バス会社によるのか、同じバス会社でもルールが変わったのか、もしくは、運転手とカウンタースタッフの気分次第なのか。ある時はカウンタースタッフに、ある時は直接、運転手に、ある時は、なぜか請求されないまま無料で。そんな感じでチケットを購入します。スーツケースを荷台に入れるのもバス会社によってさまざまです。自分で運ぶ時もあるし、スタッフが蹴り飛ばして荷台に押し込める場合もある。やっと乗車して、すぐに発車するかどうかも、運転手の気分次第。それがニューヨーク。

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