NY在住日本人社長が「もう日本に住めない」と思った車内注意書き

 

日本の特徴「権利がある側の偉そうな態度」

で、今回の成田。空港から都内へのバスのチケットを買う段階からすべてが違いました。僕の前に並んでいた中国人旅行者の家族が、財布からお金を取り出しつつ、どれが千円札でどれが一万円札かわからないとゴタゴタしていたその時、カウンターの中の違う女性スタッフさんが、クローズされていた隣の窓口を急きょオープン。「後ろのお客さま、どちらまで行かれますか?」と声をかけてくださいました。つまり、その中国人家族のせいで、急げば乗れるかもしれないバスを乗り過ごさないため、そこまで見越しての気配りを彼女は炸裂させてくれたのです。もうね、それだけで大好き、ニッポン!って感じです。成田に到着して数分で日本の素晴らしさを身を持って体感しました。

そんなこと当たり前じゃん!と日本の方は言うかもしれません。これを読んでくださっている人も、当然すぎて何も目新しくない、と思うかもしれません。でも、そんな気配り、北米全土で見かけることはありません。そんな日本では当たり前の気配りができるスタッフなんて、アメリカ広しといえど、どこにもいやしねえ。僕たちからすると、やっぱりそれだけで感動できる「事件」なんです。

そしてチケットを買うと、乗り場まで親切丁寧に教えてくれます。「そちらの自動ドアを2つ通り越えて…」と、自動ドアが二重になっていることまで言及するのは、少しやりすぎかなと思いつつ、でも、そこでまた感動。で、チケットの発車時刻の数字を赤ペンで丸で囲んでくれます。…ん?そこまでは必要ないかも。でも、感謝。で、スーツケースを手にしようと振り向くと、そこにあったスーツケースがない。瞬間、盗まれた!?と思うも、係員のおばさんがバスまで持って行こうとしてくれています。いや、やっぱ、そりゃ、やりずぎだ。きったないスーツケース、そんなに丁寧に扱わないで、恥ずかしいから。蹴って移動させるJFKのスタッフがちょっとだけ恋しくもなります。

バス乗り場まで来たら、スタッフさんが「こちら、われものございませんか?」と声をかけてくれて、丁寧にバスの下の荷物入れに置いてくださいます。番号札を渡され、何個目の停車駅までを説明してくれる…。なにかここまできたら、バカにされてるような気がしなくも…。

極めつけは、バスが発車すると、さっきの荷物担当の地上男性スタッフ2名が、バスに向かって「いってらっしゃいませ」と一礼。バスに向かってお辞儀…。ついついその人たちにお辞儀し返しちゃいました。

やりすぎ感がなくもないけど、それでも、素晴らしい「おもてなし」の国だなと思わざるを得ませんでした。むしろ、ここまでのサービスが世界では圧倒的に稀だということを日本人はみんな知っているのだろうか、と余計なお世話と自覚しつつ心配してしまいます。

知らない日本人がいるとするなら、世界に出た際に大丈夫だろうか、と。そのことを妻に話すと「大丈夫でしょ、日本人、どこに行っても、その国のルールを受け入れて、合わせるの得意だから」と言われました。なるほどな。

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