NY在住日本人社長が「もう日本に住めない」と思った車内注意書き

 

そのあと、例の手書きの「プレス」と書かれたコピー用紙を両手で(なぜか)高々上にあげて歩く先頭の彼に、大の大人が一列で付いて行く形で、会場に入場します(笑)賭けてもいい。アメリカでは絶対に見ることがない光景です。ずっと下を向いて、笑いを咬み殺します。

次は、手荷物のセキュリティーチェック。金属探知機とX線で人間と荷物の中身を検査します。これは、もちろんアメリカでも必ずやられます。日本のスポーツイベントも欧米並みのセキュリティーを導入したんだなぁと感心したところ、セキュリティーのスタッフの方が「スイマセン、スイマセン、スイマセン」とやたら謝って、荷物の中身をチェックします。

そんなに恐縮しながらやらないほうがいい、謝ったりすると…ほら…やっぱり、また古参軍団が急にエラそうにふんぞり返るようになっちゃってるよ。言わんこちゃない。。自分の頭で考えるより、もう、条件反射的に「相手が恐縮→エラそうにする権利ゲット!」となっちゃってるから。「めんどくせええなあぁ!」とベテラン記者が声に出してます。

ただ、僕も気になったのはセキュリティーのスタッフの方が「スイマセン、スイマセン」と恐縮しながらなので、ほとんど、中身をチェックしない、ということ。あくまで形だけ、バックの中身をさーっと表面上だけ見て、中身を探ったり、奥まで確認したりしない。めんどくせえなああ!と例のジジイが声に出して以降、さらに、チェックは甘く、ほとんど、表面上だけ、見た目だけのセキュリティーチェック。え!?こんなことなら、セキュリティーチェックの意味なくない?だったら、しなきゃいいのに…。

さすがに唖然として、口を開けていたら、また例の古参のジジイと目が合って「ね!めんどくさいでしょ!?」みたいな同意を求める顔をしてるので、「ちがう、ちがう、ジジイと全く違う意味で呆れてんだよ」と心の中でまた念じる。

マニュアルの素晴らしさと、マニュアル通りの意味のなさを痛感した、日本滞在でした。

つづく

image by: ymgerman, shutterstock.com

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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