生徒が首吊り自殺を図って発覚した「いじり」いじめの一部始終

 

被害生徒からの事情聴取で加害生徒の名が判明した

男子生徒は生真面目で、教員や友達に相談をするタイプではありませんでした。しかも、「いじめ」を受けても「学校に行かねば」と思うほどの気真面目さを持っています。

ただ、皆に見せるポーカーフェイスの表情とは裏腹に、当たり前ですが、内心はかなりこたえていたようです。そして、事情を聴く中で、「いじめ」加害者の同じクラスの5名の男子生徒の名前が出てきました。

加害生徒たちからの事情聴取

いじめの中心にいた子は元気があり、やや悪智恵もはたらくタイプの生徒でした。あとの4人は調子に乗りやすい面はあるものの特に生徒指導上問題のある生徒ではありませんでした。

その子らの釈明では、被害男子生徒の反応が面白く、場を盛り上げようと思って「いじった」と話しました。

学校としての対応

被害者、加害者両サイドからの事情聴取を終えました。加害者の5名には、口裏合わせ防止のために、携帯電話を預かった上で、複数の教員が同時に個々に別室で話を聴きました。そして、生徒指導主任・事情聴取担当教員と教頭とで情報を持ち寄り、全体像の把握に努めました。

その上で各学年主任や生徒指導部教員を加え、「生徒指導委員会」を持ちました。この「生徒指導委員会」で、問題行動の種別の認定や、指導措置原案を作成し、原案を校長に具申、その後、臨時職員会議を開催し協議の後、校長決裁をもらいました。

今回のような重大事故の場合は、事実概要の把握の段階で、校長は県教委に一報を入れます。また、必要に応じて「指導措置を口頭または文書で報告します。

この事件では、中心となった生徒にはかなり重い指導措置が申し渡されました。他の付和雷同的な生徒4名には、事が事なので「謹慎」を命じ、反省期間を与ることになりました。

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