あえて今遡る。昭和の年金の話を聞けば、なぜ年金が必要かわかる

 

長い間日本経済は停滞する事になりました。デフレ経済に陥るわけです。デフレっていうのはお金の価値がモノの価値より上がる事になります(インフレは逆に物価が上がって貨幣価値が下がっていく)。

それっていいんじゃないの?って思われますが、そうじゃない。お金の価値が上がるならもう少しモノを買うのを待とうという人が多くなる。モノが安くなるのを待つ。そうすると企業は買ってもらうためにモノの値段を下げる。モノの値段が下がるから企業の利益が下がる利益が下がるから社員の給料が増えない。給料が増えないからますます、モノを買おうとしなくなる。

消費者がモノを買わないから、企業は更にモノの値段を下げる…利益が減る…給料少なくなる…余計にモノを買わない…のでスパイラルにハマるんですね。デフレスパイラルっていいます。デフレが続く事は国の経済の停滞を招く。それが20年以上も続いてきたわけです。

昭和の時代は経済が順調に伸びて年金の額も攻めの方向でした。しかし平成の年金は経済の停滞から始まったのであります。平成元年に出生率が1.57となって1.57ショックと騒がれました。

そして翌年平成2(1990)年の高齢化率は12%の65歳以上人口は1,400万人、国民年金受給者約740万人、厚生年金や共済年金などの被用者年金受給者は620万人に達しました。年金給付費も平成元年に22兆円になり、初めて社会保障給付費の半分を年金が占めるという大規模なものとなりました(平成2年社会保障給付費47兆円)。

何らかの公的年金を受けている世帯は全世帯の3分の1を占め、65歳以上の人がいる世帯はほとんど全ての収入の内の半分以上が年金であるというようになった。経済の成長が停滞の方向に行ってしまったのに、公的年金は国民の老後の生活にはなくてはならないものとなったのであります。

というわけで今日はこの辺で!

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
年金は国民全員に直結するテーマにもかかわらず、とても難解でわかりにくい制度のためその内容や仕組みを一般の方々が学ぶ機会や知る機会がなかなかありません。
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【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

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