韓国は誰も助けない。世界バブル崩壊で塗炭の苦しみを味わう隣国

 

北朝鮮とイランとの交渉

もう1つ、トランプ大統領は、ブラフによる交渉を進めるが、徐々に手の内を知られ始めている。トランプ大統領のブラフを用いた交渉は、日本や韓国には通じるが、イラン北朝鮮には効果がない中国も一線の越えた交渉は拒否する可能性が高い。

イランや北朝鮮では、トランプ大統領が戦争を嫌うことを知り、余裕を持ち、「制裁を解除」や「短距離ミサイル開発の容認」「核大国の承認」などと対話条件を引き上げて、交渉を開始しないようである。米国も条件を引き上げられたことで、対話できない状況になっている。

北朝鮮との実務者協議もできないので、トランプ大統領は、韓国の文大統領が何か情報を持っていないかと、国連総会に来た文大統領と首脳会談したが、北朝鮮から相手にされていないことを知り、安倍首相に、韓国の駄目さ加減の愚痴をこぼしている。

しかし、北朝鮮との平和協定を締結して、トランプ大統領はノーベル平和賞を狙っているが、足元を見られて金正恩委員長は、対話条件をドンドン引き上げている。北朝鮮は、短距離ミサイル実験を認めさせて、次にはボルトン補佐官を辞任に追い込み、次には核大国として認めよという条件を出してくることになる。このため、トランプ大統領も、北朝鮮との交渉を諦めかけている

イランも米国との交渉に「制裁緩和」という条件を付けているが、トランプ大統領は弱虫という評判を恐れて、イランの条件を飲むことはない

中東では、イスラエルのタカ派ネタニエフ首相が選挙で負けて、穏健派ガンツ氏が首相になる。ガンツ氏は、アラブ系政党と連合して政権を構成することも検討している。このため、イランとの敵対関係を修正する可能性がある。このため、米国も中東で戦争を仕掛ける意味が完全になくなっている

サウジに200人の防空部隊を送ったが、米国はイランとの戦争をする気がないことを、サウジも知りイエメン・フーシ派と部分停戦することになった。中東ではイラン優勢で情勢が変化している。

FRBの金融政策

FRBの0.25%の2回の利下げで、金利が2%以下になり、米国の8月新築住宅販売件数が年71.3万件で前月比+7.1%と高い伸びになっている。8月の住宅は新築と中古の販売が強めで、新築着工は大幅増加。金利低下の効果が一気に出ている。製造業ISM指数は、50割れであり低いままである。また、消費者信頼感指数も8月までは高かったが、関税UPの影響から9月は低くなっている。というように景気指数はまちまちであるが、景気後退とも言えない。むしろ、景気の先行指数は良いことになっている。

しかし、短期レポ金利が、上昇して一時10%になり短期資金の調達コストが上がり、FRBは、緊急的な処置として、国債や社債などを買い取り、資金提供した。この短期レポ市場での資金提供は、QE4と同じ効果を持つ処置であり、FRBは、短期市場でステルスQE4をすることができる。今まで、短期金利は準備預金金利であったが、短期レポ金利を含めるとすることで、これを継続的に行えるようにして、株価の維持を行うようにトランプ政権から要求され、FRBは検討に入ったという。

トランプ大統領としても、これで実質的な株価維持ができるしFRBの独立性を疑われる要求をしなくて済む

景気の先行指標は良く、10月も0.25%利下げして、資金を潤沢に提供することで、バブル相場を2020年11月まで維持するようである。バブル相場延命の方向に、舵を切ったようだ。

しかし、10月の米中通商交渉が不調なら下落もあるが、それほどには大きくない。トランプ・ツイートでもあまり下落しない。もう1つが、製造業は米国経済における割合が大きくないので、製造業の景気指数が低くても、景気には大きく響かないことによる。

バブル拡大の推進力

GAFAの成長も縮小してきた。唯一拡大するアマゾンの拡大は、1万店もの店舗を廃業に追い込んで、結果的に米国経済の規模を縮小させているし、WeWorkのようにイノベーションになっていない企業をもてはやすしかない状態になっている。AIなども経済規模を縮小化する技術であり、拡大には寄与しない

このため、米国の経済成長は、中央銀行がお札をばら撒いて維持する構造になっている。GAFAを真似した世界企業が各地で起こり、徐々に平均的になってきている。

どちらにしても中央銀行バブルは、ここ当分は継続して、よりバブルを拡大していく。バブル崩壊時には、その分崩壊も大きくなることを覚悟するしかない。そして、米国のバブルはドルを通じて、世界に波及する。

ITバブルを作り、そのバブル崩壊を埋めるために、住宅バブルを作り、そのバブル崩壊を埋めるために、中央銀行バブルを作っている。しかし、中央銀行バブル崩壊を埋めることができるのかという疑問が出る。このため、バブル崩壊時は米国経済覇権の終わりになると見ている。そこまで米国はいくしかない。

print
いま読まれてます

  • 韓国は誰も助けない。世界バブル崩壊で塗炭の苦しみを味わう隣国
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け