気づくのが遅いほど大損!年金の「手続き漏れ」はココに注意して

 

71歳のある日、過去の資料などで自分の年金記録をよーく確認してみたら平成5年9月から扶養に入っていたのに未納となっていた事に疑問が出てきた。そこで年金事務所に相談に行くと、第3号特例を使える事になった。国民年金第3号被保険者期間となるのは平成5年9月から平成16年3月までの127ヵ月。

そうすると、老齢基礎年金額が239ヵ月+127ヵ月=366ヵ月で計算しなおされる。第3号特例の請求は令和元年9月にやったとする。これにより、請求の翌月の令和元年10月から老齢基礎年金額が781,700円÷480ヵ月×366ヵ月=596,046円になる。ここで年金総額は老齢厚生年金209,333円+老齢基礎年金596,046円+振替加算92,884円=898,263円(月額74,855円)となる。

まあ、過去の未納記録が第3号被保険者になった事で、老齢基礎年金額が増額しましたよね。でも本来なら65歳から貰えていたものですが、71歳の時に変更されたので請求月の翌月からの年金額変更となりました。ちょっと6年分くらい損してますね^^;

3号期間の手続き忘れをしていたかどうかに対しては年金請求時に聞き取りや記録確認等で判明したりしますが、そのまま何もなかったかのように年金受給に進むと3号特例請求が遅れてしまって今回のように損が生じる場合がある。年金記録には過去の消えた年金記録問題なども含めて注意する必要があります。

なお、平成17年4月以降の3号期間の手続き漏れについては、やむをえない理由の場合の届け出漏れの場合に適用されます。

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
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