元国税が暴く竹中平蔵氏の住民税脱税疑惑「ほぼクロ」の決定的証拠

 

最後まで「納税証明書」提出せず。税法の抜け穴を衝く

竹中平蔵氏は、住民税の仕組みの盲点をついていたのです。住民税は、1月1日に住民票のある市町村に納付する仕組みになっています。1月1日に住民票がなければ、どこかの市町村がそれを知ることはないので、どの市町村も納税の督促をすることはありません。だから、1月1日をはさんで住民票をアメリカに移せば、住民税は逃れられるのです。

しかし、これは明らかな違法であり、脱税なのです。

竹中平蔵氏は、「住民税は日本では払っていないがアメリカで払った」と国会で主張していました。日本で払っていなくてもアメリカで払っていたのなら、合法かどうかは別としてともかく筋は通ります。それを聞いた野党は、「ならばアメリカでの納税証明書を出せ」と言いました。でも竹中氏は、最後まで納税証明書を国会に提出しなかったのです。

住民税というのは所得税と連動しています。所得税の申告書を元にして、住民税の申告書が作成されます。これはアメリカでも同じです。

国内で所得が発生している人にだけ住民税がかかるようになっているので、アメリカで所得が発生していない竹中氏が、住民税だけを払ったとは考えにくいのです。

当時、税制の専門家たちの多くも、竹中氏は「ほぼ黒」だと主張をしていました。日本大学の名誉教授の故北野弘久氏もその一人です。北野教授は国税庁出身であり、彼の著作は、国税の現場の職員も教科書代わりに使っている税法の権威者です。左翼系の学者ではありません。その北野教授が、竹中平蔵氏は黒に近いと言われているのです。

でもこの脱税疑惑は、うやむやになってしまいました。当時は小泉政権の支持率が絶頂のときであり、竹中平蔵氏の不祥事などマスコミもあまり厳しく追及せず、世間はそれほど関心を持たなかったのです。

しかし脱税をしていたような人物に経済政策を任せるということは、実は大変なことです。泥棒に警察庁長官をさせるのと同じことです。そのことに、マスコミも世間も気づいていなかったのです。そして、結局、このことをうやむやにしてしまったことが、その後の日本に大きな災いをもたらすことになるのです。今回の持続化給付金問題なども竹中氏につながっているのです。

次回からは、竹中平蔵氏が具体的にどういう経済政策を行ない、日本の社会がどういう影響を受けたのかという事をご説明していきたいと思います。

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image by: 首相官邸

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