韓国「慰安婦が敗訴」の歴史的判決。日韓は時計の針を2015年にまで戻せ

 

朴裕河教授は財団の再生を提言

慰安婦問題を歪みや捻れから解き放つべく孤軍奮闘を続ける朴裕河(パク・ユハ)世宗大学教授は、毎日新聞のインタビューに次のように答えている(4月23日付電子版)。

▼元徴用工問題がそうであるように、慰安婦問題でも法的解決を求めるとなると日韓併合自体の合法・不法論で対立することになる。これはこれで接点を見いだすべき問題だろうが、それには当然時間を要する。であれば、慰安婦問題をめぐるそうした議論は棚に上げて、取りあえずの解決を考えるべきだ。このまますべての元慰安婦が亡くなれば、日韓間の深いとげは、もはや抜き取ることができないだろう。

▼先般、和田春樹教授ら日本の知識人たちが、新たな解決策として、合意内容を文書にして日本の駐韓大使がじかに〔元慰安婦に〕渡すことを提案した。日韓合意を主導した安倍晋三政権を引き継ぐ菅義偉政権でそうした補完作業をやり、「和解・癒やし財団」を解散してしまった韓国の文大統領が修復できれば意味がある。

▼そうしたことが行われるなら、その際、日韓両国政府はこれまでの30年の慰安婦問題をめぐる対立の歴史をまとめて読み上げることで、国民と歴史を共有できるようにしたらいいだろう。30年もの間、慰安婦問題に関わった人々は数知れず、皆それぞれの場で元慰安婦の境遇に心を痛め、気持ちを注いできた。その人たちの労もねぎらって、初めて慰安婦問題は未来に向かう歴史となりうるだろう。

▼韓国大統領は日本側の努力も認め、日本側は「和解・治癒財団」で足りなかったことを補完すると明言したらいい。アジア女性基金や日韓合意までの経過も公開したらいいだろう。こうした過程に元慰安婦の方を参加させなかったこともわびるべきだ。

▼そうした公的イベントとともに、「和解・治癒財団」を再生させ、残ったお金を使って、いまだに受け取っていない方たちには日韓の政府関係者がこれまでのことを一緒に伝えて受け取ってもらえるよう試み、さらに残るお金は研究やその他に必要な事業に使えばいい。

▼韓国が用意した100億ウォン(約10億円)は、別途財団を作り、日韓和解プロジェクトを始めて、旧徴用工問題を含む、今後さらに出るかもしれない問題に対応できるようにしたらいいだろう。そうした作業を韓国だけでなく、日韓の関係者が「共に」模索していけるようにしたらいい。

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