韓国「慰安婦が敗訴」の歴史的判決。日韓は時計の針を2015年にまで戻せ

 

6.私たちの提案

3月2日の外務省の「見解」は、2015年合意によって、「慰安婦問題の『最終的かつ不可逆的な解決』を確認した」とのべるだけで、合意の核心である安倍総理の謝罪について口を閉ざしています。これで慰安婦問題の解決をすすめたことになるはずはありません。

私たちは、日韓両国政府に対し、まず「2015年合意」を再確認し、その合意の精神をさらに高めるための努力を要請します。菅総理は、河野官房長官談話、村山総理談話を継承する政府の立場から、2015年合意の核心部分を再確認し、「政府の責任を痛感して、すべての慰安婦被害者にお詫びと反省の気持ちを表明」した安倍総理の言葉をあらためて文章にして署名し、日本政府を代表する駐韓大使をして、20人といわれる生存慰安婦被害者にその意を届けさせるべきだと思います。

文在寅大統領は、2015年合意を両国間の公式合意であると承認する立場を表明したのですから、日本政府が拠出した10億円から、和解・治癒財団が生存被害者35人と被害者遺族58人に1億ウォン、2,000万ウォンずつを伝達したことを報告していただきたいと思います。その上で、残った5億4,000万円に、韓国政府が慰安婦被害者のために治癒財団に別途支出した100億ウォン(約10億円)を合わせて、韓国政府がめざす慰安婦問題研究所の設立に使うべく、日本政府の協力をもとめて協議されることを望みます。それは、被害者とその苦しみを忘れず、長く後世に記憶し続ける証となることでしょう。

外務省の3月2日の意見文書は、最後に、日本政府が米国グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去をもとめる米国市民の訴訟を助けるために、米最高裁に意見書を出したことを述べています。苦難をうけた慰安婦被害者のための慰霊碑を立てることに対して、日本国民の名誉を傷つける、日米友好を損なうとして反対論を米最高裁に述べ、敗訴したことは、まことに愚かな行為であります。慰霊碑の碑文に疑問を持つとすれば、慰安婦問題を一層研究して、ふさわしい認識をつくりだすように努力するのが日本国の立場でなければなりません。

まさに、忘れず、教訓を記憶し、後世に伝えることが、真の謝罪につながるのです。

コロナ禍や気候変動など、日韓、あるいは東アジア地域は、ともに手を携えてあたらなければならない課題が山積しています。米国の政権交代で米中対立の様相も変わろうとしています。いまこそ日韓関係を改善させなければなりません。(2021年3月24日)

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年4月26日号より一部抜粋・文中敬称略)

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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