強制も無理強いもしない。ドラゴン桜の指南役が勧める“地頭”の鍛え方

Head,Shot,Pleasant,Young,Mother,Sitting,On,Couch,With,Adorable
 

「勉強ができる」とは異なる意味で使われる「地頭(じあたま)」という言葉。その人が持つ本来の頭の良さとして捉えられていますが、これは生まれ持ったものでどうにもならないのでしょうか?そこで今回は、無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』の著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役として知られる親野智可等さんが地頭について解説。その鍛え方を紹介しています。

子どもの地頭の鍛え方

「地頭(じあたま)」とは前回の「親力とは『子どもを育て、包み、伸ばす』総合力」で述べたように「ものごとを認識したり、考えたり、創造したりするような」基本的な能力である。いわば、芽が出て大きく育つための土壌だ。

種をまけばすぐにでも芽が出るような土づくりを親御さんが生活の中で行っていくことが子どもの成長にとても役立つ。

地頭を鍛えるのは机に向かってテキストを開く勉強だけではない。特に小学生にとっては生活の中で楽しみながら知的な刺激を受けることが重要であり、わたしはこれを「楽勉(らくべん)」と呼んでいる。

楽勉には無理強いや強制は一切ない。楽しんでやっているうちに自然に子どもは勉強好きになるものだ。

実は教科書ほど小学生にとって抽象的で分かりにくいものはない。教科書は世の中の仕組みや法則、事実を体系化したものであり、その根本や本当の意味を理解するためには生活や遊びの中で学ぶことが前提となる。

よく子どもは「なぜ勉強しなければいけないの?」と質問するが、それは抽象的な教科書を学ぶことを勉強と思っているからだ。楽勉も勉強と分かれば、子どもはそんな質問はしないだろう。しかも、楽勉はよく分かるだけでなく、「忘れにくい知識」になる。

親御さんにはこうした地頭と楽勉の意義を子どもに教えて上手にプロデュースできる親になってもらいたいと思う。プロデュースといってもそれほど難しいことではない。

例えば、温度計と湿度計をすぐ手の届くところに置いておくだけでいい。普通は朝起きて「今朝は暑いな」で会話が終わってしまうだろうが、そのときお父さんが「今日は朝から30度だ。昨日より2度も高いね」と数値に置き換えて子どもに話しかけてあげる。

同じように「今日はジメジメするね」で終わらず、「湿度が60%もあるね」という会話が続けば、子どもは自然現象を数値でとらえる意味が分かる。

そのような地頭が出来てくると、例えば授業で植物を育てるとき、教師が何も言わなくても子どもは葉や茎を物差しで測ろうとするだろう。

print
いま読まれてます

  • 強制も無理強いもしない。ドラゴン桜の指南役が勧める“地頭”の鍛え方
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け