チームとして命取りになる行動とは?
「石川さん、仕事をクビにならない方法ってわかりますか?それは自分じゃないとできない“聖域”をつくることだよ」以前、取引先のある総務部長が言っていた言葉です。つまり、本人しかできない仕事を抱えることで自己保身をしていたのです。
しかしその後、その部長は横領事件を起こして懲戒解雇されました。困ったのは残された人たちです。そんな事情ですから、業務の引き継ぎも行われず、たいへん苦労したとのことでした。
部長ほど意図的ではなくても「その人にしかできない仕事」は、生まれがちです。本来そういう仕事はあってはいけません。しかし、さまざまな理由でその人にしかできない仕事は作られます。クビになりたくない、優越感を持っていたいという自己保身も多いですが、仕事ができる人にだけ仕事がいってしまうことで、結果的にそうなってしまうこともあります。
その人しかできない仕事が増えると、見えないところで仕事の偏りが生まれます。すると一部の人だけに忙しさが集中し、仕事が進みづらくなります。その人が病気になったり、事故にあえば、とたんに仕事が回らなくなるリスクもあります。また、仕事の偏りは仕事ができる人の退職のリスクを高めます。
人員に余裕がなくて大変な会社も多いかと思います。しかし、できるだけ同じ仕事でも複数人の担当者を配置し、ひとりしかできない仕事を作らない工夫が必要です。
手順がある程度決まっている作業なら、その仕事のプロセスをフォーマットなどでまとめて文書化し、誰でもマネできるシステムを作っておくべきです。フォーマットを作るのは、手間のかかる作業です。しかし、一度作ってしまえば、驚くほど仕事がスムーズになります。
新人が入ってきたり、部署異動で違う仕事をしていた人に教えるときも、フォーマットの有無で教える効率が格段に変わります。そうすることにより作業効率が上がり、チームとして軽やかに仕事ができるでしょう。
意思疎通を図り、共通認識を持ち、風通しのいいチーム作りが、仕事をスムーズに進める大切なコツです。新入社員の入社や新しいプロジェクト発足前に、改めて確認していけば、あなたの仕事もより快適に進むでしょう。
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