プーチンの狂気を悪用する、ウクライナ紛争で“得をした”人物リスト

 

では、当事者の一人であり、今回のウクライナ戦争を激化させている張本人、プーチン大統領はどうでしょうか?

ハッキリと言えることは【損はしているが、自業自得である】ということでしょう。

ここ数年、国内での支持は下降線をたどり、以前ほどの威光はないと言われてきましたが、それにさらなる陰りがみられ、背後から刺される(クーデター)可能性が大きくなってきていると言われています。

それゆえでしょうか。疑心暗鬼のレベルはマックスに対しており、側近でさえ粛正することを厭わないとの脅しを明らかにかけるようになってきたように見えます。

身内がプーチン大統領にネガティブな情報をあげることを恐れ、対ウクライナ侵攻についてよい情報しか伝えなかったことで、想像以上の苦戦を強いられていると思われますが、自身の権力の保持のためには退くことは一切許される状況になく、とことんウクライナを攻めるしかない状況に追いやってしまいました。

この追い詰められる度合いが高まると、彼の中で決してブレることがない大ロシア帝国再興の夢と、「ロシアの国土の終わりはない」との信念に支えられて、昨今、ささやかれる核兵器、生物兵器、そして化学兵器の使用の可能性が高まると思われます。

話はずれますが、この“信念”の内容、どこか台湾統一に賭ける習近平国家主席の信念に似ているような気がします。

損得のお話で、皆さんからのブーイングを覚悟しながら、最後にタブーに触れておきます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、政治リーダーというキャリア的には得をした一人だと思われます。

就任時に約束した公約をことごとく覆し、7割を超えていたとされる支持率も紛争直前では一けた台まで悪化していた中、ロシアからの全面侵攻を受け、戦時のリーダーとしてのイメージで、最低と言われた支持率を一気に回復どころか爆発的に増加させました。

SNSを通じて発信される国民へのメッセージ。「私はキエフに留まり戦う」と宣言し、国民と命運を共にする姿勢のアピール。Tシャツ姿で語り掛け、無精ひげの顔のまま、非常事態下にあるイメージを演出。各国の議会に向けて行われるリモートでありつつ、Liveで行われる演説の内容は、それぞれの対象に合わせて綿密に内容が練られているという卓越したコミュニケーション戦術。

そして、映像と言葉を駆使して悲壮感を漂わせ、必死さのアピール、そしてピンポイントの支援要請を駆使して訴えかけた結果は?

彼の支持率とイメージ回復、そして戦う不屈の精神のリーダーというイメージは最大の得点ですが、実質面で、欧米の最新鋭の武器を無償で提供してもらっただけでなく、膨大な資金が無償供与されたことで、彼の政権下でスランプに陥っていた経済状態を救うことが出来たとの分析をここでご紹介するのは、行き過ぎた内容でしょうか?

この問いへの答えがどのようなものであったとしても、今回起こっていることは、ゼレンスキー大統領にとっても予想外の事態になっていることと思いますが、欧米からの支援は、プーチン大統領による蛮行への対抗力を強化しただけで、問題の解決には至っておらず、結果としてウクライナ市民の犠牲を増大させ、ウクライナ市民に想像を絶する大きな損失を強いています。

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