プーチン亡命かクーデターか。中国が避けたい露の親欧米政権樹立

 

ウクライナ4州を併合

プーチンは、ウクライナの4州をロシアに併合すると宣言し、これで、特別軍事作戦からロシア領を守る戦争になった。このため、戒厳令を出せるし、総動員令も出せることになった。

この戦争は、欧米の西側から、ロシアの文化を守る戦いであると定義したが、1941年6月の独ソ戦争以来の大戦争に突入することになる。

戦後の多くの軍事介入は、戦争ではなく特別軍事作戦であり、自国本土を攻められるリスクはなかった。今回も本土攻撃をしないように、欧米にロシアの核抑止が効いて、ウクライナに要求したので、本来なら戦争にならないが、ロシアは領土を広げて、戦争にしたことになる。

これで、1935年住民投票によりザール地方を編入、1936年ラインラントへの軍進駐、1938年オーストリアを併合、ズデーテン地方のドイツへの割譲などと同じ行為であり、ロシアはナチスドイツと同じになり、国連憲章の違反であり、世界的な孤立になる。

プーチンは、ヒトラーと同等な世界の敵になってしまったようである。プーチンの理論もロシア人居住地域は、ロシアに併合するというヒトラーの主張と同様になっている。

まさか、戦後の平和な秩序体系を壊すロシアに味方する国はないはずで、勿論、ロシアと同じ程度の倫理基準国は、ロシアを応援するが、北朝鮮でもロシアのような悪ではないと言うから、非常に少ないことになる。

しかし、国連安保理では、ロシアのウクライナ東・南部4州の併合を非難する決議案がロシアの拒否権行使により否決されてしまった。

国連憲章違反にも、手がない状況で、国連の価値がないことを示している。

そして、この決議案に、中国、インド、ブラジル、ガボンが棄権に回った。しかし、4カ国ともロシアがウクライナでやっていることに懸念を示した。棄権は明らかにロシア擁護ではない。彼らはロシアを支持していない。というように、ロシアの孤立化が明確化している。

核攻撃の可能性

その上に、プーチンは、もう1つ核攻撃の可能性も示唆するが、もし、それをすると、ロシアの完全な破壊になる。欧米は核使用の兆候があれば、それを阻止するとロシアに警告している。

一番、最悪なのが、負けそうになった時点で、ザポリージャ原発への戦術核での破壊であろう。こうすれば、NATO諸国へも被害が及ぶことになる。もし脅しだけで戦術核を使うなら、スネーク島が良いはずで、このどちらを選択するのか、戦争状況とプーチンの気持ちで決まる。

米戦争研究所ISWは、プーチンが核使用を決断する可能性が最も高いのは、1に西側が直接の軍事介入せず、2にウクライナで決定的な戦果を得られる、と判断した場合だという。

このようなプーチンの動きをけん制するために、ゼレンスキー大統領は9月30日、北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を表明した。ロシアによる核兵器使用に対する懸念が強まる中、NATO加盟で抑止力を強化する狙いだ。

これに対して、メドベージェフは、「ウクライナのNATO加盟申請は第三次世界大戦の幕開けを加速した」というが、それがロシア崩壊につながるということである。

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