プーチンついに「核使用」決断か。ロシア軍“不気味な撤退劇”の裏側

 

北朝鮮はアメリカがウクライナ対応と台湾海峡問題への対応に追われ、かつアフガニスタンとイラクからの撤退という大失態を犯している間に淡々と核開発を進め、かつミサイル技術も格段に向上させ、「核兵器こそが北朝鮮生存のための手段」と信じて軍備拡張を行っています。

そのような中、ウクライナおよび台湾への対応に追われてどうしても北朝鮮対応に時間もエネルギーも割くことが出来ない現実に直面し、アメリカとしてはextreme wayしかないとする声が高まっています。

もちろん、作戦として「事故に見せかけた核爆発によって…」というシナリオがしっかりと存在するようですが。

このような状況を中国はどうも掴んでいるらしいですが、どこまで北朝鮮に肩入れすべきか政府内で議論が割れているようです。ICBM級が発射された際には、苦言を呈し、かつ北朝鮮への対応において安全保障上high alert体制になったとのことですが、まだ韓国および日本、そして在日米軍に対する防波堤・緩衝材的に北朝鮮を使う姿勢になっています。

ただこれが核実験の再開になると、確実に習近平国家主席および政権のレッドラインを超えることになり、もしかしたらその時点で北朝鮮を見捨てることになるかもしれません。

その場合、北朝鮮を止める重しがなくなりますので、歯止めがきかなくなる恐れがあります。そのような場合にも何とか存続できるように、今、北朝鮮はイランと同じく、ロシアに武器と人員を提供し、特にシベリア方面の管理を買って出てロシアに恩を売り、中国との間のパワーバランスを測ろうという狙いが透けて見えます。どこまでうまく行くかは、現在の中国の実力と能力を考えると分かりませんが。

すでにデリケートな安定のバランスが崩れ始めている中、気候変動による大洪水に見舞われ、国土の3分の1が水面下に沈んだ核保有国パキスタンの動向が、混乱をさらに深める可能性を秘めています。

大規模な災害に見舞われたパキスタンですが、現政権がこれまでのところ全く対応できておらず、国民の不満が高まる中、カーン元首相の勢力が盛り返してきており、対外強硬派への支持が高まってきています。

それにより、災害に加え、パキスタンの政情が不安定さを増し、軍部の中にも分裂状態が生まれていると言われています。それは直にパキスタンにおける核兵器管理の体制にも悪影響を与えてきているようです。

このalertは隣国で同じく核兵器保有国であるインドから提起されており、報じられていませんが、インドも核兵器をstand-by状態にまでレベルアップさせているようです。

それゆえでしょうか。インドの外相とロシアのラブロフ外相が最近会談を行うことが多くなり、同時にインド政府によるロシアの核問題への厳しい指摘も鳴りを潜めているように感じます。

インドの首相府の補佐官の言葉を借りると、「今、インドはプーチン大統領とロシアがもつ隣国に対する恐怖感を共有できるように感じる」とのことで、「隣国に核兵器保有国を持つ身としては他人事とは言えない」とロシアに対する非難の度合いを下げているようです。

現在、インドとパキスタンの間でも密かに(?)核兵器のにらみ合いが熱を帯びてきているようで、新たな核兵器の懸念が南アジアに生まれてきているようです。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • プーチンついに「核使用」決断か。ロシア軍“不気味な撤退劇”の裏側
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け