衝撃の「時給2万円」。それでもガイドラインに違反する神戸市いじめ調査委員会のあり得ぬ対応

 

報告書で明らかになった、学校がいじめの対応をしなかった理由

―― 確かに神戸市の事案は他所と異なり、頻発していて、露骨な隠蔽が多いと感じています。それに、記事にすればするほど、私も被害を受けましたという連絡が来ますから、頻発するように見えている件数自体が実は氷山の一角だとも考えられます。そもそも市教委自体がやる気ないというか、改善する気もないと思えてきます。

(被害者家族)私たちからの問いに調査委員会が答えることはなく、今月になり、調査委員会より市教委に提出する報告書を年度内に完成した、議事録の開示は自分で行えと連絡がありました。内容としては、やはり嘘の列挙と、調査自体の内容や対象などが曖昧で調査不足としか言いようのない報告書でした。

 

神戸市教育委員会は、加害者・裁判所も認めた17年前のいじめを未だに認めず、いじめ調査文書も隠蔽していました。その他の事案においてもメモ等の隠蔽が報道されています。そしてまた今回、本事案においても幾度も神戸市教委が行ってきたいじめアンケートの隠蔽が明かされました。何のためにアンケートはあるのでしょうか。

 

調査委員会はなぜ、すぐ報告をしなかったのか、そしていじめの調査をきちんと行わなかったのか、怒りしかありません。

 

息子はアンケートや口頭で何回も先生に助けを求めていましたが、無視され、今までその事すら保護者にも隠し続けられてきました。

 

報告書では、学校がいじめの対応をしなかった理由について「教員達が忙しいから」と目を疑うような記述がなされていました。いじめを「児童間のいざこざ」とし、当該校では教職員が校務分掌により多忙であり、対応できないことを是とするような印象すら受けました。どこの教職員も複数の校務分掌を受け持ちながらも、ひとたびいじめが発生すれば速やかに被害加害両者に対してきちんと対応を行っているのです。

 

いじめ対応をできないような学校を運営しているのであれば、当然に市教委に責任がありますが、そうした事への追及もなく何の意味がある報告書なのでしょうか。

―― 本人聞き取りを調査側が拒絶しているのですから、それ自体でもはや調査不足になるのは火を見るより明らかですね。さらに第三者委員会の設置者が調査対象であって、隠蔽の実行をしていたとすれば、もはや救いようがありません。

(被害者家族)息子が登校できなくなり2年近く経過した頃、小学校では急に保護者会が開かれいじめアンケートを取られ、不審に思った複数の学校関係者から、あなたたちは知っているのかと連絡がありました。調査は終了したと言いながら、こちらから報告を再三求められ、調査委員会は慌てて1年経とうという時期に初めて、学校の保護者に何らかの説明を勝手に行い、調査を行ったのです。

 

中間報告を求めて4カ月も 放置された期間がありましたが、その期間に自分たちの保身のためだけに勝手に調査を行い、その事実は報告書にも一切記述せず、そしてその事はずっと私たち被害者本人には伏せられています。このような調査報告書の何を信用できるのでしょうか。

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