衝撃の「時給2万円」。それでもガイドラインに違反する神戸市いじめ調査委員会のあり得ぬ対応

 

被害者の代理人宛に届いたあり得ない内容の文書

―― 中間報告は被害者に寄り添うという、いじめ防止対策推進法の理念と根幹にかかわることです。だから、どんな委員会でも中間報告を丁寧に行い、調査精度を含め、よくよく吟味するはずなのですが…。

(被害者家族)22年7月、なんと「報告書は被害者側へは見せずに市教委に提出し、中間報告も拒否する」という文書が代理人宛に届きます。本調査委員会は、被害者へは何の開示もせず、報告書の説明もせずに、市教委に提出したものを見ろと回答し、このまま終了させようとしていました。第三者委員会としてありえない対応です。調査に不足があれば、第三者委員会に責任を言い渡された判例もあります。

 

高額な報酬が、ただでさえ加害当事者である神戸市教育委員会から調査委員に支払われている上に、委員長は市の講師や委員を多数歴職しており、他の委員についても不審な点が見つかり、調査委員への中立性はいかに調査されて決定したのかと思いました。

 

このような文章を被害者側に送りつけて来ることに、家族一同、大変な驚きとショックを受けていること、調査がガイドライン違反であること、いじめを受けて2年間経つのに、未だ学校がどのような対応をとったのか報告がないこと、本人は何もしていないのに一方的に殴られたり、いじめを受けており報告は当然の要望であること、いじめの被害者が2年間放置された状態であるということは、いじめ行為を訴えたにもかかわらず、自分の話を大人の代表でもある教職員が無視を続けたことを意味し、不信感があり本人が面談をできる状態になく、ガイドラインに従い中間報告を行うことを再び求めました。

―― 神戸の第三者委員会の報酬は他所と比べると破格で、時給2万円とも言われていますね。地域によっては、およそ15倍以上の報酬であるのに、この対応では、信託した側であろう市議会も市民も裏切っている状態ですね…。そしてガイドライン違反、何度被害者を貶めれば良いのだと思えてしまいます。

(被害者家族)2022年10月、中間報告もないまま4カ月も放置されたあげく、また前回の文書と同内容の「保護者が児童に面談させない」旨の文書が代理人宛に送付されてきました。

 

こちらは本人への聴き取りについて拒絶は一切しておらず、環境が整っていないので整えてほしい、そして子どもの人権や心情等を配慮してほしいと、これまで再三に渡ってお願いしてきたこと、中間報告の必要性の説明、調査委員会に被害者側にも個人情報があり、保護されなければならないということの認識が見られないため、被害者側にも人権があるので、人権配慮の中で調査を行うよう伝えました。

 

調査もさることながら、とにかく「いじめ被害者を徹底的に守る」という姿勢が全くないため、何度も同じことの説明をさせられてきました。

 

2023年1月に行われた報告会では「委員会としての結果は固まっている」と繰り返し、明らかに報告内容の事実がおかしいため、その場で指摘をしましたが、無視され「この素案を2月にまとめ3月末に提出する」と言われました。当初より、自分たちのスケジュールばかりを通そうとしていました。

 

報告会は、文書で報告することもせず、都合の悪いことを聞こえにくくさらさらと口頭で説明して被害者にその場で必死に書き取らせるなど、悪質としか言いようのない対応で、ただ憤りを感じました。都合のよいことだけを説明し、今後のスケジュールについてもこちらから尋ねないと答えませんでした。

 

被害者に拒み続けた中間報告等は、委員長、副委員長や代理人の三者で22年の2月には済んでおり、その時にこの委員会の調査の方針、調査対象等の説明をしたと説明されました。

 

報告された内容は、初期段階で報告可能な内容であり、これまでの教育委員会の言い分と同様であり、こちらから提出した書類、証拠、発言は無視されていました。

 

調査はほぼ終了したと語っていた夏には6回ほどの調査委員会開催でしたが、その後10回ほど開催し、1月時点で15回目にもなるというのに、聞き取り等にはほとんど時間をかけずに何を議論しているのかと思いました。

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