「ヒトラーの予言」が現実に。21世紀に同環境に置かれた日本とドイツ

 

最終的にはクリミアを孤立へ。ウクライナ反転攻勢の4段階

マリャル宇国防次官は、反転攻勢の開始を発表しないが、東部へのある種の反攻作戦は始まっているとした。司令部にはすでにいくつかの攻撃計画があり、そのうちの1つが短時間で、敵がそれに対しての準備する時間がないようなやり方で、選択されるだろうとした。

この反攻作戦と思えるのが、バフムト郊外のクリシウカの運河沿いの奪還であり、バフムト逆包囲作戦の可能性がある。

ドネツク州東部ボハレダラで、ウ軍はロ軍陣地を2ヶ所奪還し、ロ軍戦車を破壊している。ザポリージャ州には総延長800kmの塹壕があり、ドネツク州の方が少ないので、ボハレダラからアゾフ海に出る攻撃も考えられる。

それと、ザポリージャ方面での複数個所に威力偵察部隊を出して、ロ軍陣地を偵察しているし、防空部隊を強化していることや、メルトポリのロ軍補給センタや基地をHIMARSで攻撃しているなどであるが、ザポリージャ方面の行動は、ウ軍の報道管制のために、よく見えない。というように第1段階は始まったようだ。

しかし、米国の機密情報漏れで遅れた可能性もあるが、最大1ヶ月のようだ。

しかし、4月中旬から6月までが、反攻作戦で機動部隊が動ける時期であり、6月からは梅雨であり、泥濘になり、7月から秋までが次の機甲部隊が動ける時期になる。ということで、今の時期か夏に反攻作戦ができることになる。第2段階は、アゾフ海まで進軍することであり、第3段階南部解放作戦、第4段階クリミア孤立作戦の順に攻めるようである。

メインは南部であるが、ザポリージャ州には、ロ軍兵が2万5,000人いる。ヘルソン州にはロ軍兵は1万5,000人と少ない。このため、ヘルソンから攻める可能性もあるようだ。事実、ロシア側情報筋によると、ウ軍がヘルソン州東岸に展開拠点を構築したという。

もう1つが、ポパスナを奪還して、ルガンスクとドネツクを分断する方向に行く可能性もある。ポパスナは高地であり、この地域全体を見渡せるので、ここを取ると、周辺地域の奪還が容易になる。

ウクライナへの軍事支援を話し合う米国主催の会議が21日、ドイツ西部ラムシュタイン米空軍基地であり、オースティン米国防長官も言っていたが、米国のエイブラムスM1A1戦車31両は5月中旬から下旬にドイツに到着し、ウ軍兵士への訓練を始めるが、訓練は最大10週間かかるので、秋口しか戦闘に参加できない。

また、レオパルト2は20両程度しかウ軍に渡っていないし、チェレンジャー2は14両程度であり、レオパルト1は数両程度で、兵器が揃っていない。しかし、6月までにドイツは、レオパルト1約80両を引き渡すという。

もし、4月後半に機甲部隊が動くとすると、PT-91やT-72などの戦車部隊しかない。ブラッドレー戦闘装甲車などの装甲車両は1,000両以上あるので、機械化歩兵部隊が動くことになるが、攻撃力は弱い。

ということで、本格的に動くのは夏以降になるとみる。そして、秋には動けなくなるので、後半の作戦は来年に持ち越しであろう。

そして、ドイツはウクライナに配備された戦車を修理するための拠点をポーランドに設立するという。

もう1つ、欧米製戦闘機が、まだ供与されていない。攻撃力自体が物足りないような気がする。攻撃力は諸兵科連合の総和で決まるが、航空優勢を取ることが最重要である。そのためにも欧米製戦闘機は必要である。

ウ軍パイロットも長距離ミサイルが必要という。MIG29は、50~60km先のロ軍機しか攻撃できないが、Su-27ロ軍戦闘機では、150km先の敵の攻撃できる。このため、150km以上先の敵を攻撃できるミサイルが必要だという。このため、MIG29に長距離ミサイル搭載可能にする改造をしたようである。

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