「ヒトラーの予言」が現実に。21世紀に同環境に置かれた日本とドイツ

 

戦勝記念日「不滅のパレード」中止で徐々に戦時下の色が濃くなる露国内

もう1つ、ワグナー軍は、アフリカの鉱山からの収入があり、特に、スーダンの準軍事組織RSF支配地の金鉱山の収入を得ている。鉱山防衛とRSFの戦闘訓練などを請け負っている。このため、RSFが国軍に統合されると、その収入がなくなる。少し前に、プリゴジンが、アフリカ経営に力を入れるというのは、スーダンの支援のことであったようだ。

このため、RSFにミサイルなどを送り、統合されないようにしているし、それと、リビアではワグナーの支援を受ける反政府のハフタル将軍が国土の広い部分を支配する。ワグナー軍はアフリカの多くの国で影響力を持っていることがわかる。

このように、ワグナー軍は海外で収入を得ているので、ロ軍と違い、国家予算を効果の割には使っていない。

このことで、プーチンは民間企業の中に民間軍事会社を作り、国庫とは別の収入で運営する軍事組織を多数、作ろうとするのである。

ロシアの権力闘争にも、その複数の軍事組織が関係することになるとみる。ロシアはFSBが支配しているが、この支配体系に変化が起こる可能性も出ているようだ。

一方、ロ軍の戦闘爆撃機SU34が20日、ロシアの都市ベルゴロド上空を飛行中に「航空用弾薬の緊急投下」に迫られ、市中心部で大規模な爆発が起こった。このように航空機の整備状況が良くないことになっている。中国製半導体の補給があり、兵器製造は可能になったが、航空機などの整備に必要な機器の整備がなく、精度の問題を起こしているようだ。

また、5月9日のロシア戦勝記念日に「不滅のパレード」は中止になり、赤の広場の軍事パレードがどうなるかでしょうが、徐々に戦時下の色が濃くなっている。しかし、2024年の大統領選挙を行う方向であり、戦時色をなるべく出したくない。

インドは、ルーブルでの決済を拒否し、ロシアは米ドルやインドルピーでの決済を拒否したことで、ロシア製兵器の輸入を停止した。今後、インドの兵器は欧米製になるようだ。ロシアはまたも武器輸出先を失ったことになる。ロシア兵器を使うのは、アフリカだけになりそうである。

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