ウクライナの攻撃をかわす術を知っているワグナー軍
バフムト攻略で活躍できているのは、ワグナー軍しかいないために、プーチンもプリゴジンのいうことを聞き始めた。動員兵の一部をワグナー軍に割り当てて、ワグナー軍の損耗の補充を行うことにしたようである。
プリゴジンのこのままでは負けるとの小論文の効果があったことになる。この言いたいことはワグナー軍を強化しないと、今のロ軍では負けるということを言いたかったようである。
事実、バフムト以外では、ロ正規軍の攻撃で、ウ軍の陣地を突破できていないからである。実績値でもワグナー軍が優位に立っている。
プーチンは、ゲラシモフ総参謀長とパトリシェフ安保会議書記が、この戦争を早期に終わらせようとしていることを知り、プリゴジンという対抗勢力を作る必要になっている。
プリゴジンも、プーチンの信頼を得ているという自負があり、プーチンを全否定するイゴール・ガーキンとは一緒にならない。ペスコフ報道官の息子もワグナーPMCに参加したという。ワグナー軍が優等部隊であることを証明しているようだ。
逆に、イゴール・ガーキンとその派閥は、プーチンとプリゴジンが、2024年の大統領選挙を考慮して「ウクライナとの停戦」を図っていると見て、停戦を主張する者たちを批判・攻撃しているようだ。
しかし、そう簡単に停戦できないので、ウ軍反転攻勢に対して、ワグナー軍を前面に立てるしか、防御もできないと見ているようである。
逆に、ウ軍もなるべく多くのワグナー軍将兵を排除するために、バフムトで戦っているのである。
しかし、そろそろ、バフムトの戦いは終わり、ウ軍の反転攻勢に移ることになる。
ウ軍攻勢で攻撃地点に送り込まれるのが、ワグナー軍になる可能性が高い。このため、ワグナー軍の増強が必要になって、動員兵の一部をワグナー軍に送り込んだのである。
ウ軍の最新兵器やウ軍工兵の機械などを見ると、塹壕や陣地、龍の歯だけでは、防御できない。攻撃的な防御行動が必要である。ワグナー軍は、ウ軍の攻撃方法に順応した対策をすぐに打ってくる。そのよい例が、ウ軍撤退後のビルに攻め込むと、ビルごと破壊するという遅滞防御に対して、ビルにすぐに攻め込まなくなった。
ワグナー軍は、柔軟に作戦を変えることで、ウ軍の攻撃をかわす術を知っている。ロ軍は柔軟性がなく、硬直化した攻撃しかできないし、守れない。
この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ









