プーチン退陣を画策か?プリコジンを許す独裁者の側近に“不穏な動き”

 

なぜ、プリゴジン氏を排除できないかというと、アフリカでの大きな影響力と鉱物資源などのアクセスを持つことで、プーチンの隠れ資産になっているからだという。

このため、ロシア国内で、戦争の継続に疑問視する意見が出ていると、ギルキン氏は述べている。特にプーチン側近でもプーチン退陣を画策する動きがあるという。

それに対して、プーチン支持派のジョイグ国防相、ボロベフ・モスクワ州知事、ソビャニン・モスクワ市長などが、反対派を押さえようとしているが、反対派の力も強く、終戦に向かうようであるという。

このような状況で、プーチン大統領は、「民間軍事会社ワグナーは存在しない。ロシアには民間軍事組織に関する法律はない」と述べ、ワグナーが法律の枠組みを超えた存在だと認めた。今後、ワグナーなど非正規部隊への規制を検討するとした。

ということで、ロ国防省は、ワグナー軍から戦車・ミサイルや大量の弾薬等を引き渡されたとし、事実上の武装解除を行い、ワグナー軍の多くの兵員をロ軍に組み入れたいようである。

しかし、ベラルーシ国防省は、ワグナー軍は、ベラルーシ軍の教官となるだろうと述べた。ワーグナーのプリゴジンもベラルーシから動画を出している。

また、ベラルーシ国内の複数の訓練場に約2,000人のロ軍訓練要員が駐留していたが、現在、ほぼ全てのロ軍兵がベラルーシ領から撤退したという。

恐らく、ウクライナの東部前線に送られたのであろう。予備兵がほとんどいない状況は、今でも変わらないことになっている。

このため、ロシアは最近、兵員希望の受刑者の数が減っており、移民を強制的に徴兵して前線に送ろうとしている。このため、ロ情報筋によると、労働移民に対する大規模な家宅捜索が行われているという。

ロシアは、外交問題も出て、8月のBRICS首脳会議にプーチンではなくラブロフを出席させるという南アフリカのシリル・ラマフォサ大統領の要請をロシアは拒否した。まさか、プーチンが出席することになると、南ア共和国は、逮捕するしかないことになる。

外交的に四面楚歌になってきて、トルコに対しても弱い対応になり、南アにもどうするかですね。その上、経済的にも行き詰まり、ロシア経済は、経常黒字93%減の54億ドルになっている。

このため、ロシアのペスコフ大統領報道官は、プーチンが中国への訪問を計画しているとした。ロシアの頼りは、中国しかないようだ。しかし、その中国もロシア産原油からイラン産原油に乗り換えて、ロシアの輸入を減らしている。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2023年7月17日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Al Mamun6263 / Shutterstock.com

津田慶治この著者の記事一覧

国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 国際戦略コラム有料版 』

【著者】 津田慶治 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4月曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • プーチン退陣を画策か?プリコジンを許す独裁者の側近に“不穏な動き”
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け