廃炉に40年ぐらいかかると言ってましたっけ。40年掛かると言ってる人たちの話を、じゃあ41年目にはもう廃炉になってるんですねっていう風に信じることはできないですよね。おそらく締め切りはどんどんと伸ばされていくでしょう。それもすでにそうなってますからね。それはもう十分想像ができる、しかもね、岸田さんの言動っていうのは総理大臣の言動なんだけれども、彼を総理大臣にするにあたってそのスプリングボードになった自民党の総裁選においては、もっとはるかに実際にやっていることよりもはるかにリベラルな政策を打ち出していたし、そういう意味では実際に総理になってからはそうしたものの撤回の連続。
しかもまあ広島出身ということで、核の問題でも大きな前進をするかと思いきや、G7でのいわゆる広島宣言、これは一般に批判されているものなんで私はちょっとへそ曲がりで、「でもあれだけ大勢の世界の首脳にですね広島の資料館を見せるっていうのは意味があったんじゃないか」っていう意味合いで発言しましたけれども、その後の行動を見てると、結局何だったんでしょうねっていうことになった。これからはおそらく増税ということをどこでどう言い出すかっていうことを勘案しながら、いずれどっかで選挙にならなきゃいけないんで。またどこかで大嘘つかれるかもしれないっていう感覚をみんな持っているじゃないですか。
マイナカードについてもね、もうあれは破綻しちゃったのはよくわかりますよね。だって3年後に健康保険証を全部廃止するって言ったのはもう撤回しましたね。結局、「廃止するんだけどカードがない人が保険の恩恵に預かれないと困るので資格はありますよという証明書は出して差し上げます」って。これって廃止できないってことだよね。そんな政権のもとで、原発の事故によって生み出された汚染水の処理に関してじゃあ今からやりますよと言ったことを30年間、これからですよ、やり続けることができるか。もちろん30年間岸田さんが続けるわけじゃないでしょうけれども、少なくとも岸田さんの世の中の間にね、言った通りやってくれるんですかっていうことも不安に思われている。
で、よく考えてみると、これってその数百兆ベクレルの放射性物質を海洋に海中に投棄する、これって原発事故のあり方そのものなんじゃないの。原発事故っていうのは、原子力発電所が何らかの事故に見舞われることによって、その発電によって常に作り出されている放射性物質を大量に環境中に放出する、これが事故の本質でしょ。
まあ言ったら、それを政府がこの段階でやろうとしてるって事ですよ。だから逆に言うと、事故はまだ全く終わっていない。事故はまだ継続しているということ。だって燃料のデブリ一つ、どうなってか分からない。一部映像も捉えつつありますけれども、そこに水をぶっかけて日々生み出されている汚染水、それをストロンチウムなんかを除去しその他の核種のものも除去してトリチウム、基本的にトリチウムばっかりのものになりましたよと、一部嘘なんだけどね、そういう風に言って環境中に出すわけでしょ。だからやっぱり事故は収束していないんですよ。この事柄っていうのは事故の延長線上に起こっている、そのことをとりあえず、確認しておきたいなと思いました。
(『uttiiジャーナル』2023年8月27日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください)
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