ジャニーズ断罪も“大ブーメラン”が刺さったサントリー社長・新浪剛史氏の「呆れた人権感覚」

 

大手企業のジャニーズ事務所タレントCM起用を断罪!

新浪氏は、2023年9月12日に行われた公益社団法人・経済同友会の記者会見で、大手企業とジャニーズ事務所のスポンサー契約の問題について尋ねられて次のように語っています。

「第一にチャイルド・アビューズ(児童虐待)は絶対にあってはならない。記者会見で謝罪があったが、現体制が児童虐待に対して真摯に反省しているのか、大変疑わしい。

再発防止に向けて、ガバナンス体制を強化することを示すことができたのかどうかは大いに疑問であり、そうではないと認識している。

調査内容を受けたジャニーズ事務所の対応は不十分である。世界の企業や海外メディアからも注目を集めており、所属タレントの起用は児童虐待を認めることになるため、国際的な非難の的になる。

日本企業は断固として毅然たる態度を示さなければならない。サントリーホールディングスでは、明確なスタンスを示した」

大上段から、ジャニーズ事務所をこっぱみじんに切り捨てました。いかにも「国際派・国際通」といわんばかりの口ぶりでした。

児童虐待のことを、英語では「チャイルドアビューズ」ということなどを、この発言で知った方も多かったでしょう。

筆者などは、「えっ?」と驚きました。

サントリーは、人権侵害の常習国の中国には進出していないのか?──とふと頭をよぎったからでした。

中国では国内はもとより、新疆ウィグル自治区、チベット自治区などでの人権弾圧が有名です。

強制労働、児童虐待労働、強制収容、ジェノサイド……なんでもありの虐待国家です。

サントリーのHPを見ると、日本国内では人権尊重を第一義に掲げていますが、その割に中国進出には積極的なのです。

こういうのをダブルスタンダード(二重規範)というのではないでしょうか。

表でキレイごとはいっても、不都合にも陰でやっていることには、いろいろ理屈をつけて正当化しているのです。

なんだかなぁ……というのが、率直な感想になります。

中国政府にも毅然として、「人権侵害をやめないと、わが人権尊重のサントリーは中国事業から撤退するぞ!それでもいいのか!」などとは、けっして言わないのに、その辺はムニャムニャムニャ……ということらしいのです。

サントリーといえば、1988年東京からの首都機能移転の議論が起きた際に、当時の2代目社長だった故・佐治敬三氏(創業者の鳥井信治郎氏の次男)の舌禍事件が有名です。

いわく、「仙台遷都などアホなことを考えてる人がおるそうやけど、(中略)東北は熊襲(くまそ)の産地。文化的程度も極めて低い」などと発言して、東北地方でサントリー製品の不買運動が起きています。当たり前です。こんなトンデモ発言をしたのですから。

文化的程度が低い──と東北をこき下ろしていたのですが、「熊襲(くまそ)」というのは、古代日本の九州南部で朝廷に従わなかった勢力のことをいいます。

すなわち、東北地方のそれを指すなら「蝦夷(えぞ・えみし)」というべきで、はからずも自らの文化的程度も晒してしまい、恥の上塗りとなったのでした。

こういうことも、サントリーの伝統的所産とでもいうのでしょうか。

新浪氏の発言には、故・佐治氏の舌禍事件を彷彿させるものが感じられてならないのです。

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