維持費も不要で乗りたいときに用途に合った自動車をチョイスできるレンタカー。そんなレンタカーが今、中国であらためて注目されているのをご存知でしょうか。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、休日や大型連休ともなれば手配することすら困難になるという、中国のレンタカー事情を紹介。さらにその人気の背景を探っています。
今中国でレンタカーが熱い?CCTVに取り上げられた悟空とは?
中国のレンタカー事業者である悟空租車は2024年1月25日、中国CCTVが2024年元旦に行ったニュースで自社が取り上げられたことを発表した。
番組内では某レンタカー事業者とされていたが、インタビュー背景の同社エコシステムデータプラットフォーム画面には「悟空租車」が表記されている。
最近では高合(HiPhi)とも協業している。今、中国ではレンタカーが改めて注目されているのか?同社によるプレスリリースの内容を紹介する。
Z世代が主流
それによれば、同社に登録されているユーザーは35歳以下が70%を占める。つまりほとんどがZ世代ということになる。
同社ではこうした層の消費観念の変化、モビリティにおけるプライバシー、自由、快適への追及が相まって、こうした状況にあり、それが中国レンタカー市場の成長を促進させている、とした。
伸びるニーズ
北京市では特にレンタカーのニーズが強く、休日や大型連休となれば、レンタカーを手配することも難しい状況だという。
さらに、成都、ウルムチ、西安、広州、青島などで注文件数が特に急増している、という。
例えば2023年10月の国慶節期間、悟空租車の注文件数は前年同期からほぼ2倍、取引総額は2倍以上となった。2024年元旦もやはり注文・取引総額ともに伸びている。
悟空租車では伸び続ける中国レンタカーニーズに対して、1万社以上のフランチャイズネットワークを構築、保有車両は40万台以上、リアルタイムで稼働できるレンタカー車両は13万台以上になっており、中国全土460都市以上で事業を展開している。
借りられる車
車両は、エコノミーの独VWラビーダやトヨタ・カローラ、GMシボレー・キャバリエなどから、ミニバンのGMビュイックGL8、オフロードSUVのタンク300、ラグジュアリーのポルシェやランボルギーニまで取り揃えている。
しかし現在、人気なのは中国勢の新エネルギー車(NEV)だといい、小鵬(Xpeng)、極狐(ARCFOX)、NETAなど。
HiPhiとはレンタカーのみならず、気軽な試乗体験でも協業、そうした取り組みとしてはアウディとも行っているという。
悟空の特徴
特徴的なのは、アリババ系信用情報「芝麻」やテンセント「微信(WeChat)」と連携して、デポジット不要で借りられること。
また、指定場所までレンタル車両を届けたり、別の都市での返却なども行っている。
中国Z世代の移動に対するニーズの他、ナンバープレートや維持費なども含めた若い世代における自動車購入の難しさも背景にあるかもしれない。
出典: https://mp.weixin.qq.com/s/LxuhS1dgu3ApdGVJtAY_WQ
※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。
この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ
image by: Sorbis / Shutterstock.com