あまりにも多い「反プーチン派」の死。ナワリヌイ氏は“消された”のか?

 

プーチンに疑われる「大統領選までの時間稼ぎ」

前回2018年のロシア大統領選挙では、ナワリヌイ氏に難癖をつけて立候補申請を却下させたプーチン大統領は、77.53%という圧倒的な得票率で再選を果たしました。そして、来月3月15日から17日にかけて行なわれる今年の大統領選挙でも、まあ普通に勝つでしょう。

しかし、プーチン大統領としては、ただ勝つだけではダメなのです。勝つことは決まっていても、前回より得票率が下がってしまうと、大統領としての求心力が低下して来たことを国民に示す結果となってしまうため、絶対に「前回以上の得票率」で再選を果たさなくてはならないのです。

今回、プーチン大統領は「80%以上の得票率」を目標に掲げているそうですが、そのためには、どんな手を使ってでも自分の得票率へのマイナス要因をすべて潰しておきたいのです。そう言えば、最近のナワリヌイ氏は、大統領選挙が近づいて来たことで、シベリアの獄中から「プーチン以外に投票せよ!」というメッセージを定期的に発信していたと報じられています。

今回の事件を受けて、ナワリヌイ氏の妻のユリア氏は「夫を殺したのはプーチンだ!」と断言し、自身がナワリヌイ氏の政治的意志を継ぐと表明しました。そして「事件性はなかった」と言いながら遺体の返還に応じず「これから数週間かけて死因を再調査する」などと言っているロシア当局に対しては「殺人の証拠を隠蔽することが目的だ!」と糾弾しました。

本当に事件性などなく、本当に暗殺でないのなら、遺族の要求通りに遺体を返還し、国外の第三者機関で死因を調査させれば良いのです。そうすれば大統領選挙の前に結果が出ますから、何の毒物も検出されなければプーチン大統領の得票率は安泰でしょう。それなのに、絶対に遺体の返還に応じないどころか「これから数週間かけて死因を再調査する」だなんて、世界中から「大統領選挙の前に結果を出さないための時間稼ぎ」と思われても仕方ありませんね。

【関連】獄死したプーチンの政敵ナワリヌイ氏をロシア人はどう思っているか?

(『きっこのメルマガ』2024年2月21日号より一部抜粋・文中敬称略)

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