北朝鮮内部の動きに振り回された日本
(1)まず日朝交渉について金正恩総書記が関心を持ったということである。日米韓が北朝鮮の核・ミサイル問題で厳しい対応をとっている国際的枠組みのなかで、日本だけが「条件なしの首脳会談」を打ち出し、その限りにおいてはアメリカ政府も反対していない。
岸田政権の低い支持率について金与正談話が触れていたように、日本側の弱みを利用したことは間違いない。
(2)しかし不可解なのは北朝鮮側の談話に対して、日本政府が「拉致問題は解決していない」とコメントするのは当たり前で、それに強く反発したことがおかしい。識者のなかに水面下の接触で日本政府側が提案していたことと異なる見解を官房長官が語ったために反発したと見る者がいる。うがった見方でそれはない。
(3)真相は北朝鮮政府内部で、金与正談話が踏み込みすぎたことへの反発があったようだ。そもそも2018年以降、北朝鮮政府に日本問題を担当できる体制はできていない。金与正副部長も、日本問題で談話を出せる立場にもない。これまでの北朝鮮の権力構造でいえば「越権行為」なのだ。
3月28日に北京の北朝鮮大使が、29日に外相が唐突に談話を出したことは責任逃れの対応だったのではないか。北朝鮮内部の動きに日本政府が振り回されたのだ。
横田めぐみさん安否めぐり新たな動き
そして拉致問題では横田めぐみさんの安否情報について、新たな動きがあった。(続く)
(『有田芳生の「酔醒漫録」』2024年4月5日号の一部抜粋です。全文はご登録の上お楽しみ下さい。横田めぐみさんの安否をめぐる新たな動きなどさらに詳しく解説する次号は4/12(金)に配信予定。初月無料です)
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