都知事選との同時選挙か7月後半か?有田芳生氏が読む岸田政権「総選挙」日程

Tokyo, Japan - April 19, 2023: Lady Looking at Election Campaign Posters for the Local Elections in Ota Ward, Tokyo, JapanTokyo, Japan - April 19, 2023: Lady Looking at Election Campaign Posters for the Local Elections in Ota Ward, Tokyo, Japan
 

裏金問題にハレンチパーティーと、やりたい放題の自民党の政治家たち。岸田政権の支持率は、当然低空飛行を続けています。このままでは選挙を戦えないと見た岸田総理が意見を求めたのは、今年98歳になる読売新聞社の渡邉恒雄主筆でした。今回のメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』では、ジャーナリストの有田芳生さんが、この会合の目的を解説。自民党内では参議院の石井準一国対委員長が政倫審での世耕弘成議員の説明を批判するなど、総裁選や総選挙を睨んだ動きが出てきているとして、7月総選挙の可能性を伝えています。

岸田政権の行方と解散・総選挙をめぐる攻防

岸田文雄総理の3月21日の行動は今年後半までの政局に重要な意味を与えるだろう。午後1時45分、官邸発。午後1時57分、東京・大手町の読売新聞東京本社着。午後2時38分、同所発。

岸田総理は『読売新聞』の渡邉恒雄主筆(5月に98歳)と約30分ほど会談した。渡邉と岸田の父である岸田文武(元衆議院議員)とは、旧制東京高等学校時代の同級生だった。そんな個人的関係も渡邉にとっては感慨深いだろうが、それよりも日本政治の行く末に思いは至っているだろう。

岸田総理からすれば、裏金問題で二階俊博元幹事長をはじめ、安倍派幹部たちの処分をどの程度にするかで、国民世論も党内の力学も大きく違ってくる。党内の均衡を計算すれば世間の反発はさらに高まる。

自民党の処分には8段階ある。重い順に(1)「除名」(2)「離党勧告」(3)「党員資格停止」(4)「選挙の非公認」(5)「国会および政府の役職の辞任勧告」(6)「党の役職停止」(7)「戒告」(8)「党則の順守勧告」だ。

秋の総裁選で再選を実現するには、どんな一手を打つのが最適解なのか。その意見を聞くのが目的だった。岸田総理自身への処分は(7)か(8)だと見られる。

参議院自民党国対委員長は石井準一議員(元茂木派)だ。参議院の政治倫理審査会で世耕弘成議員(元安倍派5人組)が出席して語った内容について記者会見で苦言を呈した。「疑惑は解明されたと受け止められなかった」「(参議院安倍派の)代表たる立場で、自らのことしか言わない。非常に残念だった」。

石井議員で思い出すことがある。参議院の憲法審査会が開かれているときだった。野党の私たちの向かい側に自民党議員たちが座っていた。議員たちの発言が続いているときだ。いきなり石井議員の大きな声がとどろいた。「片山君、ちゃんとマスクをしなさい」。コロナ禍だった。鼻マスク姿の片山さつき議員をたしなめたのだ。あとで石井議員にそのときの対応を聞くと、委員会だけではなく、いくつかの問題が続いていたからだという。

安倍晋三元総理の「お友だち」だった世耕議員への批判の背景には、「安倍政治」を払拭したいとの意思が込められている。それは地方の自民党議員に寄せられる支持者からの厳しい批判の反映でもある。いずれ行われる解散・総選挙は、今後の日本政治の行方に大きなエポックをもたらす可能性が高い。

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