トヨタが「反省」をせずに「事態の改善」を求めている理由
1点目の「不正の内容」についてです。今回も問題については、国交省は例によってネクタイ姿の集団を送り込んで、トヨタから順番に「本社の検査」を行っています。
非常に「おどろおどろしい」映像であり、確かに一般世論に対しては、企業が不祥事を起こしており、これに対して検察ならぬ国交省が正義の立場から査察に入っているように見えます。
では、具体的にはどんな違反があったのかというと、まずトヨタの場合は、6月4日に「型式指定申請における調査結果について」というプレスリリースを出しています。
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/40920185.html
このレポートですが、かなり具体的です。これだけ読んでもトヨタとしては、反省というより事態の改善を求めているということは読み取れます。
違法行為をして査察を受けた企業が「お上に対して恭順を示す」文章ではありません。文面の上では低姿勢であり、何度も謝罪しています。ですが、肝心な点は、
「対象となる車両は、すでに生産を終了しているものも含め、社内での徹底的な検証において法規に定められている性能に問題無いことを確認しております。従いまして対象車両にお乗りのお客様はただちに使用をお控えいただく必要はありません」
と明確に宣言しているということです。トヨタは安全に関しては胸を張っています。そして立入検査を受けた後も、この文章を取り下げてはいません。つまり、国交省も「安全には関係ない」ことを認めているのだと思います。
この6月4日のレポートですが、該当車両は次のとおりです。また、車種別に、問題となった点をマトリックス式の表にしており、分かりやすい構成です。
車種は、クラウン、クラウン(ロイヤルアスリート)、アイシス、カローラアクシオ、カローラフィールダー、シエンタ、ヤリスクロス、レクサスRXの7車種となっています。