さらなる印象悪化につながった都議会各会派回り
さて、小池氏の出馬表明は、結局都議会最終日の6月12日となった。5月29日の開会日を避けた段階でこの日程はほぼ読めたわけだから、出馬表明にはもはや、インパクトもサプライズ感もない。さらに「日程が読めた」からなのか、蓮舫氏はこの日、立憲民主党への離党届を提出。結局、小池氏と蓮舫氏が並び立つ構図のニュースになってしまい「メディアジャック」の思惑は外れた。
むしろこの日のニュースで取り上げられた「小池氏の都議会各会派回り」は、小池氏のさらなる印象悪化につながった可能性もある。立憲会派に足を踏み入れるなり、軽く笑いながら「……特に(話すことも)ないみたいね、はい」と言うと、約15秒で立ち去った。
自らが立ち上げた「希望の党」に反旗を翻し、惨敗に追い込んだ立憲に、小池氏が良い感情を持たないのも当然かもしれないが、公人の振るまいとしてはいかにも幼稚に映った。一部の支持者はああいう映像を喜ぶのかもしれないが、果たして一般の有権者の反応はどうだろうか。
「AIゆりこ」に透ける小池氏の逃げ腰の姿勢
そして現在、微妙な話題になっているのが、あの「AIゆりこ」である。出馬表明翌日の13日、小池氏の「X(旧Twitter)」で爆誕した「AIゆりこ」は、生成AIで作成された本人そっくりのキャラクターが、小池都政の実績をテレビのニュース番組仕立てで伝える動画である。小池氏によれば「1日で約700万アクセスあった」とのことで「面白い」という評価もあるようだが、一方で「いくら税金を使ったのか?」などいぶかしむ声も続出。小池氏は14日のXの投稿で「AIゆりこは、東京都の事業ではありません」「税金は一切使われていません」と、またも釈明するはめになった。
税金が使われたかどうか以前に、この程度の政策説明さえ自分の言葉で話したくないのだろうか、ということにあ然とする。
もちろん、これでもなお、現職である小池氏は現時点で、選挙戦を有利に戦っていると思われる。手応えがあってこそ、小池氏も出馬表明もしたのだろう。にもかかわらず小池氏は、ここまで「狙った策が次々と外れる」ことに焦り、正面から堂々と選挙戦を戦うことから逃げ腰になっているように思えるのだが、どうだろうか。
小池氏も蓮舫氏も、本日18日に選挙公約を発表するという。選挙の前哨戦もいよいよクライマックスを迎える。今後の選挙戦の展開に、引き続き注目していきたい。
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