ヴァンス氏の「若さ」が民主党とバイデンを追い詰めるか
それはともかく、上院選の選挙運動や、議会での活動においては、優秀な頭脳をしっかり「極右レトリック」の展開に使っており、今後の選挙運動では活躍する可能性はあると思います。この8月に40歳になるということで、年齢的に若いのも強みで、トランプとのコンビでは、一気に平均年齢の若さを見せつけることでしょう。
いずれにしても、今回の「ヴァンス指名」で、共和党全国大会は盛り上がると思います。同時にこのヴァンス氏の「若さ」というのは、民主党に対する非常に厳しい攻撃になります。現時点でヴァンス+トランプの平均年齢は58.5歳ですが、バイデン+ハリスの平均は70と大きな差がついた格好になるからです。
現時点では、共和党の全国大会は始まったばかりで、副大統領候補が発表されただけです。その反響も、まだというのが現状です。ただ、一つ言えるのは、これで共和党がどのような戦闘態勢を取るようになったのかは、ほぼ見えてきたということです。
保守ブランドに極右フレーバーを加え、トランプ式のポピュリズムを乗せている中で、可能な限り中道票にリーチしようという姿勢は明らかだからです。また、ヴァンス氏の若さを通じて、若い世代への浸透も企図されていると思われます。
そんな中、自分たちの全国大会まで残り1ヶ月となった民主党の動向が、何と言っても注目されます。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2024年7月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。トランプ候補暗殺未遂事件であらためてクローズアップされている「アメリカのシークレット・サービス」に関する記事もすぐ読めます
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