バカ息子を首相秘書官に起用する庶民感覚との乖離。岸田首相が国民から蛇蝎の如く嫌われた分かりやすい理由

2024.09.02
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8月14日に総理大臣官邸で開かれた記者会見で、次期総裁選に立候補しないことを表明した岸田首相。決断の裏には長く続いた低支持率があるとされますが、なぜ首相はことほど左様に国民から嫌われたのでしょうか。政治学者で立命館大学政策科学部教授の上久保誠人さんは今回、その理由を多角的な面から考察。まさに「納得の論理」を展開しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:自民総裁選への不出馬を表明した岸田首相はなぜ国民からここまで嫌われたのか

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

自民総裁選への不出馬を表明した岸田首相はなぜ国民からここまで嫌われたのか

岸田文雄首相が、9月に実施される自民党総裁選への不出馬を表明した。首相は、総裁選を勝ち抜いて政権を維持する意向だったとされる。だが、内閣支持率の低下に悩み、首相の座から退くことを決断した。

本稿は、岸田内閣退陣の直接的な理由となった支持率の低さについて考える。なぜ、岸田首相は国民から嫌われたのか?その理由を論じたい。

あえて結論から言おう。岸田首相は、何代も続く政治家の家系に生まれなければ、首相はおろか、政治家にすらなれなかっただろう。その程度の資質の人物だということが、国民に見えすぎた。

一方で、そんな岸田首相が、やりたい放題に権力を振るっている。自民党内の派閥のほとんどを解散させた首相には、過去最高に権力が集中している状態だ。

だが、「増税メガネ」という言葉がある。岸田首相が主にネット界隈で呼ばれているあだ名だ。だが、首相は増税を実行したわけではない。所得税減税、住民税減税を打ち出し、消費増税も表明していない。それなのに「どうせ増税したいのだろう」と見透かされたようにあだ名にされている。

それは、岸田首相の背後に、財務省がいると思われているからだ。だから、首相は所得税・住民税の税率をいったん引き下げるが、いずれ大増税をするに決まっている。首相は財務省の言いなりであり、財務省の代弁者だと思う人が多いということだ。

岸田首相は強力な権力を掌握しても、それを国民のために使うことはない。国民とは意識が乖離してしまっている。財務省など、影の権力者の言うことを「聞く力」しかない。だが、国民には、首相を止める術がない。それが、国民をイライラさせてしまった。支持率低下につながったのではないかと思う。

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