自民密室政治を終わらせる吉村・玉木同盟。前原氏の扱い課題に
むろん、石丸氏が坂本龍馬役をつとめるといっても、話し合いの場は密室ではなく、「リハック」の撮影場所である。ここに玉木氏、吉村氏はもちろん、できれば前原氏も集合し、石丸氏とともに両党の連携について忌憚のない意見を交わし、それを生中継するというプランだ。
ちなみに吉村氏と玉木氏の間柄は悪くないようだ。最近、吉村氏が議員会館内の玉木氏の事務所を訪ね、ケーキを食べて談笑する写真が公開されている。「喫茶玉木でこの前、会った。誠実な人。軽い感じが僕と合うなと思う」というのが吉村氏の玉木評だ。
石丸氏は「僕にできることがあるなら喜んでという感じ。みんな一堂に会して、せーので大団円に向かいましょう」と請け合った。だが、国民民主がそうたやすく乗れる話なのだろうかと考えると、確信は持てない。
なにしろ、国民民主は少数与党となって野党の協力が欠かせない石破政権が最も頼りにしてきた政党だ。人気に陰りが見え党内対立も激しい維新を横目に、政策実現レースのトップを独走してきたのだ。いまさら維新と手を組むことになって、支持者から強い反発が起こるのがなにより怖い。
しかも、国会で実際に連携する相手が、ろくに話し合いもせずに国民民主を出て行った前原氏なのだから、なおさら難しい。
それでも、説得力がハンパではない石丸氏が乗り出すのなら、成らぬ話ではないような気がするから不思議なものだ。吉村氏は「決定権は僕にある」と明言しており、少なくともネットの一番組と軽んじるべきではないだろう。
リラックスした雰囲気のもと2時間にわたった石丸・吉村対談。同じように人々がありのままを目撃できる形で政党間の話し合いが行われるとしたら実に興味深い。
維新と国民が国会で共闘するとなれば、石破政権は両天秤にかけて、それぞれを疑心暗鬼にさせ、有利に事を運ぶという作戦をとりにくくなる。両党が相談し合えることによって「囚人のジレンマ」に陥ることなく、与党側に対して的確な一手を打ちやすくなるからだ。