トランプ米新大統領の悲劇的宿命と「パンなきサーカス」の帰結点。日本は「USスチール買収妨害」の罠を回避できるか?

 

日本の「皇族カード」はもう使えない

この点に関しては、第一次政権の際に国賓待遇として迎えたトランプ夫妻を、即位直後の両陛下が「メラニア夫人の褒め殺し」に成功したという前例があります。

外務省と官邸は「今度は両陛下に国賓としてDCに行っていただいて、関係改善の再現を」と思っているかもしれません。

その一方で、頭の固い宮内庁は「皇后を中心としたアドリブでネイティブの英語会話による外交では、自分たちが管理できない」と怯えて、皇后の不調説などを流して抵抗しているようにも見えます。

それはともかく、両陛下のロイヤルカード、とりわけ「メラニア夫人の褒め殺し」作戦については、前回ほどの効果は期待できないと思います。

まずもって、トランプ夫妻の「仮面夫婦度」は前回よりずっと悪化していると考えられます。ですからダンナに対する「夫人褒め殺し作戦」の効果は半減していそうです。さらに、前回は「不人気の妻を徹底して持ち上げてくれた」のでグウの音も出なかったトランプですが、心の奥は分かりません。

両陛下に対しては、「この夫婦は本物の知識人で本物の貴族」だという動物的な直感をトランプは持っており、そのために苦手意識の転じた悪意のようなものを抱えている可能性は否定できません。

両陛下は大変に賢い方々なので、恐らくそんな事情も踏まえたうえで、トランプ本人、あるいは子どもたちの褒め殺しをさらに高度にやろうとするかもしれませんが、そんなレベルの話が英語で飛び交うようだと、教養の基礎のない警察官僚崩れの宮内庁首脳は頭脳がパンクしてしまいそうです。

いずれにしても、イザとなったらロイヤルカードを切れば何とかなるというのは、あまりにも甘えた考えで、両陛下に失礼というものです。

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