石丸伸二新党「再生の道」が秘めた破壊力と煽り性能。左派・右派双方に叩かれるほど6月東京都議選が「面白く」なるワケ

 

既存政党は石丸新党の「スピード」についていけるか?

日本の法律に、地域政党と国政政党の二重所属についての定めはない。多くの国政政党が重複所属を禁止する内規を設けているが、地域政党「大阪維新の会」と国政政党「日本維新の会」の場合は曖昧だ。表向きにはどちらか一方への所属を明示して立候補するが、事実上の区別はつきにくい。

「大阪維新の会」の代表であり「日本維新の会」の代表でもある吉村洋文・大阪府知事は、維新所属議員の「再生の道」との掛け持ちについて「『腹をくくってやる』という議員がいれば賛成したい。東京維新の会と協議をする」と前向きだ。

ここで、大いなる疑問が湧く。たいして能力のない“政治屋”が跋扈している現状を嘆いて新党を旗揚げしたはずなのに、現職や経験者なら無条件に受け入れるというのは、いささか矛盾しているのではないか。

むろん、そんなことは承知の上だろう。今後、世間の注目度が高まっていけば、2月16日の応募締め切りに向けて、現職のなかからも「再生の道」に参加する動きが出てくるに違いない。2期8年で都議をやめなければならないが、都議の経験を活かして国政選挙・首長選挙・市区町村議選挙に出ることは党として推奨するという。現職や経験者の取り込みは、変革のスピードを上げるのに合理的な方法といえる。

東京都議会は定数127で、与党である都民ファーストの会は27議席だが、小池都知事の三選を支援した自民党(30)、公明党(23)を合わせると80議席に達する。野党は共産党(19)、立憲(14)を中心として46議席にすぎない。首都圏に弱い維新たるやわずか1議席だ。

ここに石丸新党「再生の道」が乗り込もうと、都議選に候補者を立ててくる。全42選挙区に擁立し、定数4以上の区は各2人を目安とするため、最大55人の擁立が目標だという。おそらく、この影響をいちばん強く受けるのは、国政に続いて裏金問題が発覚した自民党だろう。むろん、与党・都民ファも安閑としていられない。

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