「玉木首相」と「自公国連立」という奇策を繰り出す?
党内に充満する政権への不満、商品券問題などに対する野党の追及。石破首相にはすでに強いプレッシャーがかかっている。このまま首相を続けて参院選に大敗するケースを想像し、不安に苛まれているはずだ。
政権運営に何らかの区切りがついた時、たとえば新年度予算の成立後などに石破首相自らが退陣を表明することも十分あり得る。そうなったら、自民党は否応なしに後任の総裁選びにとりかからなければならない。救世主になりうる人材はいるのだろうか。
保守層の支持を集める高市早苗氏は、昨年の総裁選で支援を受けた議員の多くが衆院選で落選したこともあり、その勢力は以前ほどではない。
ほかに、岸田前首相や林官房長官、加藤財務相、茂木前幹事長、小林鷹之衆院議員らの名前があがるが、自民党の党勢を急回復させると信じうる存在感を誰もが示せていない。
物価高と重税感にあえぐ人々の現実に向き合わず、政治資金を私的に使って贅沢三昧する議員たちの姿に国民の多くがあきれ果て、自民党に「ノー」を突きつけている。時が経てば解消するという生易しい不信感ではない。いまさらトップの顔をすげ替えたところでどうにもならないかもしれない。
それでも政権を死守するために、自民党はかつての自社さ連立政権のような奇策を繰り出すという見方がある。
1994年4月、細川護熙首相の辞任を受けて羽田孜内閣が誕生したが、社会党が連立を離脱して少数与党となったため政権運営が困難になり、6月29日に総辞職。同日中に首班指名選挙が行われ、社会党・自民党・新党さきがけの連立により、社会党の村山富市氏が首相に選出された。
これにならい、玉木氏を首相に担いで自公国の連立政権をつくるというプランだ。むろん「103万円の壁」を178万円に引き上げる国民民主の政策を実現するのが前提条件となろう。財務省がどう言おうと、政権を維持するためなら何でもあり。それが自民党なのだ。
国民の玉木代表は、麻生太郎氏や茂木前幹事長との関係も良好だ。とりわけ茂木氏とは最近、それぞれのYouTube番組で共演し、「103万円の壁」などの政策について意気投合している。(次ページに続く)









