私が間近で目撃した「一番輝いていた頃のみのもんた」伝説の瞬間
その頃の話ですが、日曜昼の生番組で、みのさんと高級ワインを二本空けてしまったことも、今となっては良い思い出です。
構成台本では、ワインの香りを愛でて、軽くテイスティングするだけになっていました。
ところが香りを嗅いでいる内に、みのさんが脱線し始めたのです。
「今日は日曜日。昼からワインをいただいてもバチは当たりませんよね」と彼が言い出したものですから、こちらもついつい、「フランス辺りでは、平日だって昼間からワイン飲んでますし」と応じて、思いっきりグラスを飲み干してしまいました。
当時のスタジオのライトは今とは比べ物にならないほど熱かったので、出演者はいつも喉が渇いていて、目立たない場所に水のボトルが用意されていました。
その乾いた喉に、フランス産の芳醇なワインが何と美味しかったことか!
開き直った二人は、大笑いで乾杯を繰り返し、あっという間にボトル一本が空になりました。
すると、「あ、まだ一本ありますね」と、みのさんが二本目のコルクをさっさと抜いてしまったのです。
上機嫌で、飲みながら番組は続きます。
周囲のスタッフは冷や汗ものですが、生番組なので、カットすることもできません。
それでも彼のアドリブと司会者の本能?で、放送事故も起こさず、ほぼ段取りに沿って番組は進行したのですから、むしろこれ、ちょっと神業的とも言えるのではないでしょうか。テレビの向こう側のお茶の間では、「何か、今日は盛り上がってるね」と不思議に思っていたことでしょう。
一事が万事。あの頃は、今では考えられないような、大らかな時代でした。
そんな「ベルエポック(Belle Epoque美しい時代・古き良き時代)」は、まさに「Gone with the Wind(風と共に去りぬ)」、もう二度と戻りません。もはや、帰らぬ日々の思い出となってしまいました。
彼の悪戯小僧のような明るい笑顔は、今の時代には似合わないのかもしれません。それが似合うのは、時空を超越した天国での宴会だけでしょう。
今頃はみのさん、和風の天国で、先に来ていた奥様や赤坂のお姐様方に囲まれ、上機嫌で、美味しいお酒を召し上がっているのではないでしょうか。(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』3月8日配信号「ベルエポック」より抜粋、再構成。富田隆氏のメルマガ最新号はご登録のうえお楽しみください。初月無料です)
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